表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
独り言 ~詩かエッセイか何なのか~  作者: 藤谷 K介(武 頼庵)
98/144

奏でる雨音

独り静かに手を動かしている

何気なく覗いた窓の外

鈍より重そうな暗い空


ひと時手を停める


部屋に響いていた機械音

静まり返った音に耳を傾ける

寒さにかじかむ手をこすり


再び手を停める


ぽつぽつ かん……かん……

屋根に落ちる粒で奏でる音楽

びゅ~っとうなりを上げる風


窓にも叩きつけられ潰れる水玉


一つひとつが音楽


そのまま明かりを消してベッドに横になる

静かな部屋に賑やかに響く

どこか心地いいのは何故だろう……


そのまま少しまどろむ世界


屋根に落ちてくる雨粒

窓に当たる水玉

車が通るたびに跳ね上げる雨水


重なり合う自分の鼓動


静かに ただ静かに ただただ静かに


眼を開けても目の前には暗い闇

周りを見ても温もりもない

どうしてこんなに響くのだろう


そして再びまどろむ中へ

そして再び音のある世界へ


心地のよさに耳を傾ける

何気ない日常に安らぐもの

そのまま明かりを消してベッドに横になる

今日もまた部屋に賑やかに響く

どこか心地いいのは何故だろう……


例えばどこかで呼ぶ声がして

好きで好きでたまらない人

安心と切なさが押し寄せて

何も言葉にならなくて


こんこん トン……トン……

屋根に落ちる粒で奏でる音楽

ひゅ~と泣くような乾いた風


窓には流した涙に見える雨


一つひとつが音楽

奏でられたメロディー

胸に沁む


今日はどこか優しい

好きなんだと気付いた

雨の日の音


手を休め耳を澄まします

奏でられた音楽を聴き漏らさぬよう……


雨音が好きみたいで……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ