表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
独り言 ~詩かエッセイか何なのか~  作者: 藤谷 K介(武 頼庵)
85/144

望郷のウタ

見上げた鉛色の空に少しだけ飽きていた

夢と希望を描いていたあの頃

この空は都会に来たって悦びが

胸の奥から沸き上がっていた


いつからだろう……

こうして下を向きながら歩くようになったのは

新しいニュースも売れている音楽も

自分だけの世界には必要ないと

どこか楽に考えていた


遠い日に飽きるくらいに見ていた

沈みゆく夕日が赤かった事

今は思い出すこともなく

夕方を知ることなく夜に消えていく


あの頃の僕にはわからなかったモノ

生まれて育った町

一緒に過ごした友

優しく見守ってくれた風景が

たまる涙をぬぐえない


踏み出した街に見上げたネオン

どれもが新鮮な驚きだった

この光こそが求めていたモノだと

自信だけが溢れていた


いつからだろう……

他人ひとの顔を見る事が出来なくなって

住んでいる街さえ楽しいと思えなくて

受け入れられない現実に

あの時の気持をなくしたまま


過去を考えていると笑顔になる

見上げた空はどこまでも高くブルー

重い足取りで帰る事もない

溶けるように眠って朝を迎えている


あの時の僕には知りえなかった事

いつもそばに笑顔があった

心から好きだった君

優しく語り掛ける声が

落ちる涙はぬぐえない


どんなに離れても

どんなに忘れていても

そこにいた自分がオリジナル


いつか……

またあの時に見た空を

こ゚の眼で

この手で

掴むことができるかな……


あの時の僕には知りえなかった事

いつもそばに笑顔があった

心から好きだった君

優しく語り掛ける声がする

たまる想いはぬぐえない

落ちる涙はぬぐえない


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ