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独り言 ~詩かエッセイか何なのか~  作者: 藤谷 K介(武 頼庵)
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雨の中で

 一枚のハンカチがいつもバッグの片隅にある。

 綺麗に洗ってラッピングして。


 あの日もこんなしとしとと雨が降ってたなぁ。


 一カ月前のある日の夕方。

 買い物に行こうと家を出た時は晴れていた。欲しいモノや新しいものに目移りしてる間に鉛色の雲が空いっぱいに広がっていた。


 ぽつぽつ


 荷物を両手に抱えながら雨粒の落ちてきた空を見上げる。


「 降って来ちゃったかぁ… 」


 仕方ないからそのまま歩いて行く。


 てくてく


 ぽつぽつ


 てくてく


 サー


「 やば!! 」


 歩いていたのを駆け足にするけど…これって間に合わないよね?


 すでに歩道にも雨のために水が溜まり始めている。

 走るたびに跳ね上がる雨粒がだんだん大きくなってくる。


 あ~ん、降って来るならスカートなんてはいてこなかったのにぃ。

 なんて心の中で愚痴ってみる。

 どこかでこの雨をしのがなきゃ…。


 チラッと見上げた空は先ほどよりも一層暗い色を漂わせている。

 速度を速めながらきょろきょろと辺りに眼を配る。雨宿りのできる場所…それだけを探して。


 ばしゃばしゃ!!




 バシャバシャ…



 目についたバス停には屋根も壁もある。

 なんとかこの強くなりそうな雨だけはしのげそう…。


 思った時にはもうそのバス停に飛び込むように駆けこんでいた。


 ふぅ~~!!


「 もう!! いきなり降らないでよね!! 」


 無意識に出た言葉…。


「 まったくですね。僕もそう思いますよ 」


「 え!? 」


 周りなんて見てなかったから返事が来るなんて思ってなくてビックリした!!



 それが持ち主との出会いで…。


 雨の日になると私は一人その場所へ向かう。

 あのハンカチをバッグの片隅に入れながら。

 またあなたに逢えるかもって期待を胸に抱いて…。




短短編みたいになっちゃった(^-^;

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