コラボの取り合い
僕は、コラボに興味があるという3社から名刺を受け取った。
「ところでっ、次のコラボレーションは是非我が社をよろしくお願いできないでしょうかっ?来月は新商品【生ドングリクッキー】を発売するのでっ、その時期に合わせたいと思っているのですっ!宜しければ新商品の期間限定パーケージをダンジョンを作ろう!コラボ特別ドット絵調デザインにして宣伝しますよっ!」
そうか、もうミツダマ社さんのコラボキャンペーンが終わってるから、次のコラボ相手を選んで早く準備に取り掛からないといけないなぁ。
うーん、お菓子とのコラボならお菓子を食べる多くの人達に宣伝する事ができる。これはかなりの効果が見込めるだろうな。しかも可愛いお菓子のダンジョンパーツを販売すれば、前からよく質問メッセージで送られてきていた可愛いMYダンジョンを作りたいと言うプレイヤー達の要望にもこたえられる。
「よしっ、次のコラボは「待って下さい」
「え?」
コラボ相手を決めようとしたら、リリスッリス社さんに止められた。
「お話を邪魔してしまい申し訳ありません。しかし、コラボをするのでしたら我が社が最適です。我が社のキャラクターはただの子供向けキャラクターではなく、すでにブランド化が進み熱狂的なファンに支持されています。しかも、その様なキャラクターが我が社には数百種類もあるのです。来月コラボをしてくださるのであれば、毎月、月替わりで違うキャラクターとコラボしていき、今後、継続的にお付き合いして行きたいと思っています。是非我が社を次のコラボ相手にお選びください」
なるほど、リリスッリス社さんも本気なわけなんだね。月替わりでそれぞれキャラクターのファンの方が興味を持ってプレイしてもらえる。確かにかなり良い話だ。
「そっ!それならウチだってお店に巨大ポスター貼ってコラボイベントを大々的に宣伝するポーン!インターネットでも宣伝いっぱいするポーン!来月はウチにするポーンよ!」
コンビニエンスストアポンポンさん凄いやる気だね!?そんなこっちがお金払って宣伝したいくらいなのに、勝手に宣伝してくれるの!?僕が言うのも何だけどたかがゲームだよ?
「それなら我がミツダマ社も大成功したコラボの第2弾をしてほしいガオ!」
えー、ミツダマ社さんまで!?こんな話し合いだけで物事を進めて大丈夫なのかな?
「皆さん落ち着いてください。先に説明しなかった私が悪かったですが、雷神が提案したいコラボレーションプランでは、皆様が争う必要はございません。皆さんも契約を結ぶのが仕事だとは思いますが、あまり無理な約束をしますと上司に怒られますよ?今から説明しますので落ち着いきいてください」
4社がヒートアップしていた所を、雷神の営業マンさんがパンパンと手を叩いて止めてくれた。ん?4社が皆納得する様な方法が何かあるの?
「では資料を配りますのでこちらをご覧ください」
この流れになるのをよんで資料を準備していたのか。さすがプロだ。抜かりないな。
手渡された資料の表紙を見ると、【ダンジョンシティーテナント計画】と書いてある。テナントって建物をお店に貸す事だよね?
「資料2をご覧ください」
僕達は言われる通りに表紙をめくった。
すると、先月のダンジョンを作ろう!アップデートで追加した街、ダンジョンシティーの地図が書いてあった。
ん?でも何か見覚えのない名前の店舗が沢山書いてある。
「あっ!まさかこれって!」
なるほど、これは凄い事になりそうだ!