海戦準備
「フハハハッ!3隻とも買ってやった!これで我は世界最強!20階ボス討伐してやるぞ!」
3隻買っても1つしか装備できない事に気付かないムレーハさんは意気揚々とショップを出て行った。
すると、観客達のザワザワがさらに増した。
「ヤバい!アイツにボス倒される!」
「20階って限定ボスだから倒されたら二度と戦えないよな!?」
「あのボスは潜水艦だから凄いアイテム落とすはずだぜ!」
邪神が配置したボスはプレイヤー達に限定ボスと呼ばれている。一度倒すと邪神の支配から解放される為、もう一度戦おうとしても、天の岩戸ダンジョンの頃に配置された普通のボスしか出てこない為、プレイヤー達は誰よりも先に倒して落とすアイテムを手に入れようと競い合っているのだ。
「私買うわ!あんなヤツに限定ボスアイテムを独り占めさせない!」
「チクショウ!昨日リアルダンジョンで稼いだ金を使ってやる!」
「仕方ない、お気に入りの魔石売って買ってやる!」
「潜水艦ボス、オレが行くまで死ぬんじゃねぇぞー!」
ムーレハの行動に触発された人々が艦船を買いはじめ、ダンジョン20階に移動しはじめた。
「あっ、言い忘れてました。ミサイルと魚雷は弾を買わないと使えないよ?」
「「「えっ…………?」」」
サラがサラッと大事な事を言うと人々がまたまたまた固まった。彼女達は何回人々を固まらせたら気がすむのだろうか。
《20階デ戦闘ガ始マリマシタ。一緒ニ戦エルプレイヤー様ハ20階ニ来テ下サイ》
ムレーハ達が20階に入った様でカカシちゃんのアナウンスが響き渡った。
「ワタクシ達も20階ボスは倒したいですわね」
「リーペニャンダンジョンは後にしてボスだけサクッと倒すポコリン?」
「エブリワン!艦船と魚雷をショッピングして20階へゴーミャ!!」
《20階ノプレイヤーが全滅シマシタ。マタノ挑戦ヲオ待チシテオリマス》
「ミャ…………」
魚雷を忘れたムーレハ達は撃沈してしまった様だ。
リーペニャンショップで皆呆れて黙り込み黙祷を捧げた。
数分後、
「エブリワン!準備はいいかミャ!?」
「駆逐艦ミッピ、短魚雷80発買ってきたポコリン!」
「潜水艦サラ、長魚雷500発用意しました」
「空母プリマ、ハナちゃん、ダンジョンに入ったら直ぐワタクシの甲板に乗るのですわよ」
「イエス!マムだミャ!」
ちなみに、魚雷は1発20pとリーズナブルな価格で買えるけど、あまり連発しているとチリが積もった様に凄い金額を使ってしまう恐ろしいアイテムなのだ。
その頃、イズモビル天照ソフトオフィス。
「彼女達、コラボイベントのPRなのに急にボス討伐はじめましたね」
「売り上げが凄いからいいけど、台本通りにやってほしいよね。折角僕が考えて書いたのに」
「今日だけで100万は売れてますね」
「ヤマビコ君、ボス討伐行くよ〜!急がないと参加できないよ〜」
「了解。月読さんも一緒によろしく。カカシちゃんは、言わなくてももう参加してるか」
僕は急いでスマホを操作してダンジョンを作ろうを起動した。