元大魔帝ハーレムの子守日記2
我は昔、子供達の母親達である四天王を部下に従え人間どもを恐怖の渦に沈めていた。
しかし今では彼女達に尻に敷かれて家事と子守りをやらされている。
子供達も我の子ではなく、我と敵対して四天王達を奪った勇者の子だ。
でも子供達に罪はないと思い、大事に育ててきたのだ。
なのに最近、子供達は我が近づくと嫌がる様になってきた。昔は凄くなっついて、どこにいく時も4人がベッタリと我に引っ付いてきてくれてとても可愛かったのに……子供達は我の事が嫌いになってしまったのだろうか?
はぁ……。
うどんのスープを飲み干してため息をついた。
さて、子供達のどんぶりを回収にいかないとな。
おぼんを持ってハナちゃんの部屋に行くと4人とも絨毯に寝転んで仲良く昼寝をしていた。
生意気な事を言う様になったけど、まだ子供なのだな。
可愛い寝顔をみながら毛布を掛けてあげて部屋をでた。もちろん何かあっても大丈夫な様に廊下に分身を置いた。
台所の作業場にある椅子に座ってスマホを取り出した。
可愛い子供達のためだ。頑張らないとな。
ダンジョンを作ろう!を起動してデカ肉球集めをはじめた。
1階から探索をしていきウサちゃんを倒していく。
デカウサちゃんは、低確率でウサちゃんが変化してあらわれるレアモンスターだと公式サイトに書いてあったので、地道にウサギちゃんの居るダンジョンをまわって探すしかない。
我のチートスキル【何でもあり】で出現確率を操作できれば楽なのだが、チートスキルは10年前に勇者に消されてしまったからな。
あと気になったのが、おそらくこのゲームはただのゲームじゃなく神が関わっている。
前回のボス戦で手に入れた神気結晶、ただのゲームのアイテムだと思ったが、本物だった。神気は神しか持ちえない物だ。この世界で神と言ったら邪神か、はじめての村に住んでいる素戔嗚しか居ないはずだ。
あの古い考え方の邪神がゲームを作るなどありえないし、素戔嗚の爺さんもそんなガラじゃない。このゲームを作ったのは一体何者なのだろうか。
もし、子供達に危害を加える様だったら神だろうと我は許さない。
そんな事を考えながら、ツルハシでウサちゃんを倒していく。
ウサちゃんからでる肉球とウサ耳も新アイテムで、速度+1魔石や新装備の材料になるので、サラちゃんが欲しいと言っていた。
ついでに赤瑪瑙も狙ってアメーバも倒して、ツルハシで壁を採掘するのも忘れない。
ツルハシを買うのに必要なポイントは、サラちゃんが欲しがってたアイテムを集めてショップに売ってたら溜まっていた。ツルハシの低すぎる攻撃力では1人で戦えないので攻撃力+2の魔石を25個つけてある。鉄の鎧に防御+1を16個つけてあるので10階までなら余裕に探索できる。
水晶も溜まって来たしそのうち防御+2にレベルアップさせたいな。そうすれば、ツルハシを持って20階のボス戦に参加できる。
お!ついに出たな!
80匹目でやっとデカウサちゃんがでてきた。
《突進!!》
ウリ坊の牙から作られる魔石スキル【突進】を使って一気に距離を詰めて体当たりして大ダメージを与えた。
吹っ飛んだデカウサちゃんは壁に激突して追加ダメージを受け、そのまま倒れて消えていき、そこには何も残らなかった。
「何だと!アイテムを落とさなかっただとー!ふざけるな!我は大魔帝ハーレム様だぞ!お前を探すのにどれだけ苦労したと思ってるんだー!」
台所で1人叫んだ我は、しばらくすると虚しさを感じて落ち着きを取り戻し、ダンジョンの壁を採掘してからデカウサ探しを再開した。