四天王っ娘クラン結成記念ライブ
四天王っ娘!四天王っ娘!四天王っ娘!四天王っ娘!
総勢200人を超える巨大クラン【四天王っ娘☆ファンクラブ】のクラスハウスでは20×20のスペースにギッシリ詰まっているおっさん達がステージに立つ4人の娘達に声援を送っていた。
「皆さん!四天王っ娘クラン結成記念ライブに来てくれてサンキューベリーマッチだミャー!」
白黒茶色の三毛な猫耳と尻尾の生えたプレイヤーのハナちゃんがステージから手を振って挨拶をした。
「今回はダンジョンを作ろう!のゲーム内のクラスハウスの生実況と同時に、リアルのハナちゃんのお部屋から歌って踊って生ライブしちゃいますですわよ!」
「パソコンなどを使って動画サイトでリアルのライブ見ながら、同時にスマホを持ってダンジョンを作ろう!をやって四天王っ娘クラスハウスに来て皆盛り上がるポコリン!」
「今日から新しく増えた魔物のデカウサちゃんから出るデカ肉球が不足してます。サラがどんどん買うからライブが終わったら皆集めてね」
プリマとミッピはライブの説明をしたけど、サラだけライブと関係のない告知をした。新アイテムデカ肉球から、スキル魔石【ピョンピョン】を作る事ができる。このスキルは自分や仲間プレイヤーの速度を一定時間上げる事ができる支援スキルだ。仲間達と戦うサラには必要なスキルで、デカ肉球を大量に使う事で高レベルな魔石になるので、サラはショップでこれを買い占めているのだ。
「うおおぉサラちゃん!俺は10個集めてやるぜー!」
「何をー!?私は50個!」
「ふっ、我は100個!」
ステージ最前列のサラファンが騒ぎ出した。
彼らは10階のボス戦以降、サラが欲しいと言ったアイテムを必死に集めてはショップに流すサラにとって便利な人達。
その中の1人が四天王っ娘の子守り係のハーレムおじさんに似てる気がするけど、元とはいえ大魔帝だった彼がそんな事するわけないから気のせいだね。
「「我ら四天王っ娘近衛海兵隊も全力で集めるのであります!」」
ステージを守る様に並んだ兵隊達が声を合わせて叫んだ。
彼らは、10階をボス討伐した直後にハナの部屋に突然現れた兵隊達だ。
「邪神にゲームに閉じ込められていたのを私達に助けて貰った」とか意味不明な事を言って、その時は去って行ったんだけど、その後に何か行政の人達ともめたらしくて全員兵隊をクビになってしまった様で、「本当なんだ信じてくれ」と王宮前で泣き叫ぶ様子があまりに可哀想だったのでサラ達が近衛兵として雇ってあげたのだ。
でも実際は家に帰らせて、ゲーム内で兵隊として働かせている。これで欲しいアイテムを大量に集められるし、アイテム合成も彼らに任せてショップ市場を掌握する事ができ、仲間達の装備も作り放題だ。彼らも「王女様や将軍を助ける手助けができる!」とか意味不明な事を言って喜んで働いてくれてるから良かったと思う。
「ファーストソングは、サラちゃんの曲、【…………】だミャ!」
「動画サイトでリアルのダンスを見ながら、ゲーム内で歌うの歌を聴いてね」
「ミュージックスタートですわよ!」
チャラチャッチャッチャラチャラチャラチャラチャッチャッチャラチャラチャラチャラチャッチャッチャラ〜
「サラは無口なのですよ〜…………」
ハナちゃんの部屋の外の廊下から、踊りながらスマホを操作するサラちゃんを我、元大魔帝ハーレムは眺めながらスマホを操作してゲーム内で応援していた。
サラちゃん頑張れ!我は影から応援してるぞ!
「…………」
無言で踊るサラちゃんに心の声でエールを送る。
サラの両サイドにいた3人がサラの後ろで腕を組んでしゃがむ。そこにサラが乗って持ち上げられ両手を上げてポーズをきめた!
『うおおぉ素晴らしい!最高だ!マジ天使!』
ハーレムはすかさずスマホで文字を打ってゲーム内で叫びステージを盛り上げた。
小悪魔のサラに天使とか叫んじゃう元大魔帝ハーレムは相当な親バカだった。