こんなチュートリアルは嫌だ
小火炎!小火炎!小火炎!
「ぐあぁああ!アツイアツイー!」
アマテラスの急な攻撃を受けた俺は火だるまになった。
『ふん、黄泉であれだけ強かったお前も、その程度か。情けない』
「突然火あぶりにしてきて酷い言い草だな!クソッ、HPが0になったせいか動けない!」
体が光に包まれて消えていく。
ちくしょう、こんな序盤で死ぬのかよ。ぜんぜんゲーム説明になってないじゃねぇか!
……あれ?
気が付くと、アマテラスと向き合うヒメの後に立っていた。
あ、これ死んでも復活できるのか。
「ア、アナタ…、タケルを、私のタケルを!!許さない!!ぶっ殺す!!」
そんな事に気づかないヒメは物凄い剣幕で怒り散らした。
こっ怖い!ヒメ、怒るとこんなに怖いのかよ!やべぇ、今後絶対怒らさないようにしよう!
『フハハハッ!そうよ!その意気よ!神に抗う人間の力を見せてみなさい!』
すげぇ、あんな恐ろしいヒメに向かって余裕そうだ、さすが神だ。
次の瞬間、ヒメはアマテラスに向かって物凄いスピードで走った。
『妾に向かって直線に来るなんて愚かな!喰らえ灼熱の業火を!』
小火炎!小火炎!小火炎!
「フッ!ハッ!とぅ~!」
ヒメはアマテラスが放つ火の玉を避けながら接近していった。
「どりゃぁ!!!」
ヒメが攻撃して1ダメージ与えた。
「あー、そういえば俺達何も装備してないじゃないか!こんなの勝てるわけないじゃないか卑怯だぞ!」
『ハハハハッ!絶対的不利な条件で妾に勝つ、それがゲーム説明じゃ!』
「何でゲームスタートからいきなりボス戦なんだよ!ふざけるな!うわっ!!」
俺は流れ火炎弾に当たってまた死亡した。ちくしょう!
「はっ!ふっ!とりゃ!」
ヒメは避けながら素手で攻撃を繰り返す。そうか、何も装備していない分軽いから速く動けるのか。
「よし!俺も行くぜ!うわっ!」
火の玉にぶつかった。ちくしょう!
俺が復活している間にもヒメが攻撃を繰り返して行く。
「くらえ!ぐあっ!」
俺も何とか1発攻撃できたけど死んだ。
「もう1発だ!」
俺が復活して攻撃をしようとしたその時、
「てい!」
『グアァアア!』
ヒメの攻撃がトドメとなってアマテラスが倒れた。
俺は結局1発しか当てれなかった……。