表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/108

ツクヨミさんとの出会い

黒髪に巫女服のプレイヤー【ツクヨミ】が、魔物のアメーバにポコポコ叩かれている。


よく見ると1ダメージずつしか受けていない様だが、相手は8匹、1回で8、10回で80ダメージにもなる。

今の僕は天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)の効果で全ステータス+100になっていて、HPは110あるが、元のHPは10。地下2階にいる様なプレイヤーならあっという間に倒されてしまうだろう。


しかもこのゲームは死ぬとプレイヤーデータが消滅する。彼女を早く助けなくては!


『え!?人が居る!?』


僕はあたふたしながら、壁の向こう側をみていると、彼女が喋った。


どうやら画面の端にあるキーボードのボタンを押すと、文字を打ってチャットができる様だ。


『大丈夫ですか!?』


『あっ、ごめんなさい。このゲームはプレイヤーが誰もいなゲフンッゲフンッ!いえ、地下2階には人があまり来ないので、アメーバの養殖をしていたんです』


『養殖?レベル上げですか?』


チャットで会話を続けると彼女は、採掘場や工事現場とかで使いそうな、木の棒に前後に伸びた鉄の爪が付いたの工具、ツルハシでアメーバを殴り始めた。


すると、999っとダメージがでて次々と一撃でアメーバを倒して行く。


『999ダメージ!?そのツルハシ、天叢雲剣並みの攻撃力なの!?』


『あ……、私はこのゲーム始めてかなり長いので、ツルハシだけではなくて全装備を最大強化してあるので、この位のダメージは普通にでますよ』


彼女は初心者じゃなかったのか!でもそんなに強い人が何で、地下2階なんかに居るんだ?


彼女は倒して地面に散らばった粘液を拾い集めて行き、その中に1つだけ落ちていた赤瑪瑙(あかめのう)を拾うと話し始めた。


『私、趣味で赤瑪瑙を集めているんです。これで6859個目。アメーバを倒すと0.1%の確率で出るのですが、中々出なくて、アメーバは時間が経つと分裂して2匹に増える能力があるので、少しだけ残して増えるのを待っていたのですが、他のプレイヤー様の邪魔になってしまうので、もうやめておきますね』


そうか、彼女が言っていた養殖とは、魔物を養殖して増やすと言う意味か。


この前やっていたゲームで養殖と言うと、高レベルな人に手伝って貰って初心者のレベルを上げるというのがあったからそっちかと思った。


そういえば、僕も赤瑪瑙をさっき拾ったんだった。


『よかったら、1個持ってるけどあげようか?』


『えっ?本当ですか?それでしたら貴方が持っている天叢雲剣の耐久を回復できる、殺人粘液と交換しますよ?』


そういえばガチャで、そんな名前のアイテムを1つ手に入れていたなあ。それにしても殺人粘液って何だ?高レベルな階層に殺人アメーバって名前の魔物でも居るのかな?


『凄く助かります!じゃあそちらに行きますね!』


僕は、地下2階をグルグル周って、やっと彼女の居る部屋にたどり着いた。


『ありがとうございます。よかったら、貴方には色々教えた方が良さそうですし、低級ボスの居る地下5階まで案内しますよ?』


『わーい!ありがとうございます!ベテランの方にレクチャーして貰えるなんて、ガチャをしたら天叢雲剣も出たし凄くラッキーです!』


本当に僕、今日は運が付いてるぞ!最強武器に、素敵な先輩!もしかしたらヒロインになってくれるかもしれない!これまでずっと不運の連続だったから、その分が今日来たんだねきっと!


『それでアドバイスその1、なのですが、その天叢雲剣は使わない方がいいですよ?』


『えぇーっ!?』


まさかのアドバイスに僕は絶句した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ