ファンクラブvs100人の兵隊2
カカシちゃん!来てくれたんミャね!
嬉しいミャ!
ゲーム画面のに映るカカシちゃんをみて感動し涙がでそうになった。
『ワタシガ壁ニナルカラ皆様攻撃ヲ!』
カカシちゃんの言葉にハッとして画面を見渡すと部屋にギッシリと詰まった大量の兵隊が銃でカカシちゃんを撃っている。
「カカシちゃんに何するミャー!!」
ゴッ、ドゴーン!
ボクは怒りにまかせて兵隊に、魔石で強化したRPGミサイルを撃ち込んだ!
しかしさすがに一撃では倒せないようだ。攻撃スピードの遅いRPGだけでは倒す前にカカシちゃんがやられてしまいそうだ。
「ワタクシ達も戦いますですわよ!」
「ポコリン!」
「サラも壁役になります!皆後ろから攻撃して下さい!」
こうして10階ボス戦は幕を開けた。
・うっ!何だこの敵の数は!?
・何でダンジョンゲームにいきなり兵隊なんて出てくるんだ?
・実況ライブ視聴ノ皆様!10階ボス討伐イベント開催中デス!コノボスハ1回シカ出現シナイ限定ボスデス!是非一緒ニ戦ッテ下サイ!
・アタシ今から参加します!
・俺も!
・僕も行きます!
・自分も!
実況ライブに次々とコメントが打ち込まれて行く。
その時、イズモビルオフィスでは、
「参加者50人突破どんどん増えて行きます!」
「これで10ページか、1ページ辺り兵隊10人、これなら何とか倒せそうだね!」
「1人倒せたよ〜」
月読、山幸彦、エヒメの3人は、戦況を確認しながらスマホを操作してボスと戦っていた。
カカシちゃんに確認した通り、100人居た兵隊もページが増えると、それぞれのページ分散して1ページ10人まで減っている。しかもカカシちゃんはゲームシステムを利用してそれぞれのページに1人ずつ出現しており、カカシちゃん10人がそれぞれ兵隊の攻撃からプレイヤー達を守っている。
「実況ライブの方では兵隊5人まで減ってます。こちらも負けないよう頑張りましょう」
「了解〜」
僕達の画面では、ヤマヒコ、ツクヨミ、エヒメ、カカシに加えてアマテラスさんも参戦している。アマテラスさんは僕がプレゼントした火魔法を使って兵隊達を焼いている。
「あ〜!カカシちゃんがやられた!」
銃弾を浴び続けたカカシちゃんがついに倒れた。ゲーム説明キャラだから無敵の様に思えるが、出現した階と同等の強さにしかなれないので、カカシちゃんの頭にはLv10と書いてあって僕らと同じくらいの強さしかない。
「カカシちゃん、良く耐えてくれました。私が耐えますので全力で攻撃して下さい」
カカシちゃんに代わりツクヨミさんが銃弾を浴び始めた。攻撃力を捨てた採掘専用装備のツクヨミさんの防御は超硬く1ダメージしか受けていない。
その時ハナちゃん達は、
「あと3人ポコリン!」
「これならいけますわよ!」
「ミャ!カカシちゃん!」
ボク達が戦う前でカカシちゃんが倒れ、ボクは攻撃の手が止まってしまう。
『ワタシハ大丈夫デスカラ、ボス達ヲ倒シテ下サイ。後ハ頼ミマシタヨ』
足の棒がポッキリと折れてしまったカカシちゃんが消えていった。
よくも、よくもカカシちゃんを!!
この時、ボクの中で何かが弾けた。
「おりゃおりゃミャー!!!」
ボクは夢中で兵隊達を爆破した。
「お疲れ様ですわよ!」
「何とかなったポコリン!」
「カカシちゃん、カタキはとったミャ!」
ボク達は満足気にボスの居なくなった部屋を眺めて勝利に浸っていた。
すると、サラちゃんが1人で歩きはじめた。
「ミャ?サラちゃん何処に行くミャ?」
「ふふふっ、ボスを倒したらやる事は1つ!採掘だよ!」
「なっ!なるほどミャ!」
「流石ですわ!」
「サラちゃんそんなキャラだったポコリン?」
すっかり採掘にはまってしまったサラちゃんに呆れながらも後ろについて行って付き合ってあげる仲良し4人組であった。