実況!ダンジョンを作ろう!2
「ハイーグッドイブニングミャン!本日2度目、ハナちゃんのゲーム実況ライブのタイムだミャー!」
・ハナちゃん愛してる!
・投稿の動画も見たよ!ハナちゃんの大砲?強すぎw
・ハナサン、観テマスカラ頑張ッテ下サイ。
・あれはRPGって言って大砲じゃなくて、ロケット推進で榴弾を打ち出す兵器。携帯式対戦車擲弾発射筒、略してRPG。戦車も吹っ飛ばせる凶悪な兵器だぜ!
ハナちゃんの実況画面にコメントが表示されてゆく。さっきゲームプレイしたのを録画して投稿したので本日3度目の実況に視聴者もテンションが高い。
ミャー!カカシちゃんも観てくれてるし頑張るミャ!!
「皆さんコメントサンキューベリーマッチミャー!今から5階のボスを、ベストフレンドのサラちゃんと倒したいと思いますミャー!」
「…………」
サラちゃんが横に座ったので、カメラで撮っているハナちゃんの横に映った。
・無言wwwさすがサラちゃんw素晴らしいw
・ゲームマスターサラちゃんがいれば100人力だな!
・去年、格闘ゲームの地区大会でサラちゃんと戦って超ボコボコにされた事が俺の自慢だぜ!
サラちゃんは無口で地味だけど、その名声はゲーム界全体にとどろいていて知らぬ者は居ない。
「レッツゴーミャー!」
「…………」
階段で5階に降りるとベトベトした緑色の粘液にまみれた大部屋にでた。進んで行くと画面の端に、壁に貼り付いた巨大な毒アメーバがいた。
「突撃ミャー!」
『ストップ!」
「ミャ?」
ハナちゃんが飛びかかろうとした所をサラちゃんがメッセージを送って止めた。
『RPGは遠距離から攻撃できるんだから敵に近づいちゃダメ!ハナちゃんの低い防御力で近づいたらすぐ負けちゃうよ。サラの立ってる場所から打ってみて』
・サラちゃんが喋った!?
・サラちゃんはゲーム内のメッセージだと喋れるんですよ。
・ハナちゃんが横に居るんだからメッセージじゃなくて普通に話した方が早いのにね。
・ギャップ萌えだな!
・しかし、ハナちゃんの可愛さには負けるけどね。
・サラちゃんの奥深い素晴らしさが分からないとはまだまだだな。
・何を!ふざけるな!
・ハイハイ、どっちも可愛いんだからケンカしない。
そんな感じにファン同士が争ってる間に、壁に貼りついて動けない毒アメーバに榴弾を打ち続け、HP0になった毒アメーバが弾けて大量の毒アメーバ(小)になった。
『そこからサラの近くを打って!』
ハナちゃんの前に立っていたサラちゃんが毒アメーバ(小)に向かって行った。
「ミャ!?サラちゃん危ないミャ!」
サラちゃんは毒アメーバ(小)に突っ込む手前で方向転換して横に曲がる。毒アメーバ(小)はつられて追いかけはじめた。サラちゃんは毒アメーバ(小)に追い付かれないように大きな円を書く様に回り出すと、毒アメーバ(小)達もそれに合わせて動き出す。
「発射!ファイヤー!ミャー!」
ハナちゃんが榴弾を打つと、サラちゃんを追いかける毒アメーバ(小)達が吹っ飛び砕け散った。
・素晴らしい身のこなし!!
・何で敵に攻撃されないだ?
・理論上、敵は追いつけないから攻撃をまったく受けずに済む。
・回り続ける限り無敵状態かよ!
・いや、この狭さであの数相手だとよほど上手く動かないと、先回りされたり壁に追い詰められたり、ハナちゃんの方に行ったりしてしまう。サラちゃんの操作が上手すぎるだけ。
・ヤバイ、俺、サラちゃん派になりそう。
・裏切り者めー!!
ほどなくして、全ての毒アメーバ(小)を倒した。もちろん光る壁も全て採掘した。