サーバーダウン
数日後、【MYダンジョンを作れちゃうゲーム!近日配信開始!】と言う広告がインターネットやアプリに表示され、それに合わせて作ったダンジョンを作ろう!公式ウェブサイトやSNSの公式アカウントや動画サイトに投稿した宣伝動画に様々な人々のアクセスがあり、少しずつだが知られて行くのが確認できる様になっていった。
そして、不具合の修正も少しずつ進み、ついに僕達の作ったゲーム【ダンジョンを作ろう!】が完成した。
広告には配信開始の日が表示されて、ウェブサイトで配信開始までのカウントダウンを開始して、僕達はその時を心待ちにした。
そしてその日、配信が開始された20分後、プレイヤーが多くなりすぎた事による負荷のかかりすぎで、【ダンジョンを作ろう!】は、サーバーダウンし、サービスを停止した。
「うわ〜ん!画面が真っ暗になっちゃったよ〜!」
「エヒメちゃん!今は大変だから電話かけてこないで!」
僕は電話を切り、焦って混乱する気持ちを抑えて月読さんにどうすればいいか尋ねようとしたその時、
「サーバーダウンしたのでサーバーの容量を増やしました。もうプレイできる状態に戻ってますよ」
月読さん対応早い!さすがプロだ!
スマホを操作してゲームを再起動すると、ダンジョンを作ろう!のタイトル画面がちゃんと表示されて、画面をタッチすると、僕がさっき作った小さなダンジョンの画面に戻ってこれた。エヒメちゃんも戻ってきてダンジョンの階段を降りて下の階に移動した。
「ゲームデータが消えたかと思ったけど大丈夫みたいだね」
安心してどっと疲れがでてきたので背伸びをしてちょっと休憩する事にした。
「それにしても何でゲーム止まっちゃったのかな?」
「原因はサーバーダウンです。プレイヤーが多くなりすぎたのでしょうね。1つの階に人が集まり過ぎない様に、1階5人を越えない様に同じ階をもう1つ作り出してまた5人越えると作り出すというシステムを入れたので、サーバーの限界を超えて階が大量に作られてしまった様です。30万金もサーバーに払っていれば大抵は大丈夫だと思っていましたが、それ以上にプレイヤー達が増えたと言う事ですね。今、サーバーの容量を倍の60万に変更しましたので当分は大丈夫だと思います」
なるほど、サーバーダウンとは電気のブレイカーが落ちる仕組みに似ているな、サーバーは払う値段で容量が決まっていて、プレイヤーが増えればサーバーの容量を使うから増えすぎたらゲームが止まってしまう。それを直すにはサーバー代を増やさないといけないと。
はぁ、プレイヤーが増えて収入が増えると思いきや出費も当然増えるんだね。
「それで、ゲームPの売れ行きはどうなの?」
サーバー代が増えたのだから、収入が無いと困る。
「はい、今のところ7万ですね。これならかなり良いペースですが、3万は天照姉様で、2万は私がクレジットカードで払ったお金なので実質2万です。はじまったばかりでショップに安いアイテムしかないのと、課金するかどうか様子を見ているのだと思います。」
クレジットカード払いって月読さん、ゲームに使ったお金は1月後に会社に帰ってくるからギリギリ間に合うだろうけど、もう借金はこれ以上増やさないでほしいよ。ちなみに、アプリ売り上げの2割はカカシちゃんに手数料で取られるから全額会社に返ってくるわけではない。カカシちゃん稼ぎすぎだろ。
「ちなみにツルハシがまだ1本も売れてません」
そりゃ、ゲームはじめていきなり1万もして採掘という謎の能力しかない武器、誰も買わないだろうな。
ショップは、僕が選んだビギナー装備とビギナーダンジョンパーツが結構売れていた。
課金も1人千Pくらいが多くて、まだ様子をみているという感じがした。