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カカシちゃんと話す

ビルの最上階、壁一面の巨大なディスプレイに表示されていたのは、天の岩戸ダンジョンのゲーム説明キャラクターのカカシちゃんだった。


棒を十字にした両腕に地面に突き刺さって固定されている一本足。ピンクのゆるふわな髪に麦わらをかぶってセーラー服を着ていて、1ミリも動かない貼りついた笑顔でユラユラと左右に揺れている。


「ゲームのキャラクターのハズのカカシちゃんが表示されていると言う事は……」


《ハイ、ココハ空母イズモノ戦闘指揮所デモアリマスガ、同時ニ、ワタシ、スーパーコンピュータカカシのコンピュータルームデモアリマス》


スーパーコンピュータカカシは、超巨大空母のコンピュータを改造して作ったと聞いている。さっきビルの壁からミサイルが飛んだという事は、


「イズモビルはビルではなく、空母だったのか!」


《ハイ、今ハ建物トシテ縦向キニ立ッテ地面ニ突キ刺サッテイル状態デス》


役目を終えた超巨大空母が、世界中のシステムを支えるスーパーコンピュータに変わって、世界の通信を支える電波塔としても機能する様に縦向きに建てたのか無茶するなぁ。


「カカシサーバーはいつも使ってたのにこんな近くにあるとは気づきませんでした」


いつもカカシちゃんを利用している月読命さんも知らなかったのか。


《今ノ姿ヤ、思考スルシステムハ、月読命様ヤ、天照様ノ作ッタ物ヲ使ワセテ貰ッテイマス》


後ろを見るとサーバーコンピュータがずらりと並んでいる。この中に天の岩戸ダンジョンも入っているのか……あれ?


「カカシちゃん、僕達が払ったサーバー代って誰に行くの?この空母、お祖父ちゃんしか住んでないよね?」


僕が払った180万円、滞納予定の30万円はどこに行ってるのだろう。


《サーバー代ハワタシガ貰ッテマス》


「えっ?コンピュータにお金なんていらなくない?それならサーバー代無料にしてくれてもいいんじゃ?」


毎月の30万円が無くなれば涙が出るほど嬉しい。


《オ金ハワタシノエネルギーデスダダハ駄目デス》


やっぱり駄目か、コンピュータがお金なんて集めても意味ないのになあ。


「おそらく、お金を神気に変換して活動しているのでしょう。神気が無ければ、邪神に一瞬でデータを書き変えられているハズですし、現実世界のお姉様と通信するのにも使っていると思います」


《ソノ通リ、月読命様流石デス》


「じゃあ、お金が沢山あれば邪神をゲームから追い出す事もできるの?」


それが可能なら邪神を倒さなくても平和解決できるな。


《ソレニハ、1000兆金必要です》


1000兆!?ケタが違いすぎる!


《チナミニ、今、100兆アリマス》


「カカシちゃん超金持ちじゃん!30万くらいなら誤差じゃ……」


《無理デス!》


断られてしまった。


粘ってお願いした2ヶ月だけ支払いを待ってもらえる事になった。


結局、借金が増えてただけだけどね。

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