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相場システム

それから数日が経ち、少しずつだが仕様書も形ができてきた。


仕事の無いエヒメちゃんは、何故かイズモビルの最上階に行ってみたいと言い出して階段を登って行ったきりいまだに帰ってきていない。スマホで連絡は取り合っているので元気なのは確認できているし、食料は大量に持って行ったので心配はしていないが、何が彼女をそんなに駆り立てているかは謎だ。


それより今はツルハシで採掘の仕様書に書いてあった相場システムの仕様書をまとめるのに凄く手間取っている。


相場システムというのは、今の天の岩戸ダンジョンのショップシステムだと、定額で買う公式ショップとプレイヤーから買うショップの2つがある。そしてツルハシ発掘仕様書には公式ショップの価格が人気のある宝石は高く、人気が無いと安くなる相場システムを導入する書いてあるので、この値段の変わる仕組み作りをしていかないといけないのだ。


それに加えて、ダンジョンを作れる様にするとプレイヤーのショップシステムが使いにくくなる事も分かった。以前は人の多い階でショップを開けば様々な人が買い物をしてくれるというものだったが。(プレイヤーが少なすぎてどっちにしても無意味だったけど)


プレイヤーが作ったダンジョンをランダムで探索するシステムだとショップを開いてもなかなかそのダンジョンに人が来なくて売れない可能性がでてきたのだ。


なので、個人のショップは無くして公式ショップに統一しようという事になったのだ。


そして公式ショップもただ普通に決まった値段や品揃えで売るのではなく、プレイヤーが探索で集めて売ったアイテムが公式ショップに並ぶ生きた市場に作り変える事にした。


例えば、大斧をダンジョンで見つけてショップに売ると、その大斧がショップの売り場に並んで他のプレイヤーが買う事ができる様になる。


この大斧はまだ誰も売った事がないアイテムで、最初は初期設定の買取価格2000pだったのが、時間がたつにつれて少しずつ相場が上がって、今回は3000pの買取買取で売る事ができた。売れた斧はショップの利益が乗って4500pでショップにて販売開始される。そしてしばらくの間、売れないと値段が下がっていき4200pの所で売れたとすると、下がった分、買取値も下がっていて2800pからまたスタートする。プレイヤーが大斧を沢山探索で見つけて売ると買取値や販売価格(相場)がどんどん下がって行き。大斧が欲しいプレイヤーが増えて沢山ショップから買って品薄になると相場が上がっていくというものだ。


これなら個人ショップが無くても、人々の意識で値段が変わっていく血の通った取引ができて、いつ売るか買うか?探索で何を収集するか?など色々考えて楽しめる。


個人ショップなどで個人間で取引をできる様にすると、ゲーム内のお金を騙し取る詐欺や、勘違いによるトラブルに繋がるし、個人取引ができなければ不正でゲームのお金を集めてプレイヤーに売って、現実のお金を手に入れようとするリアルマネートレードも阻止できるので、相場システムのショップは絶対必要なのだ。


だけど、どのスピードで相場が変わるかとか、他にも武器の材料の金属や回復アイテムの材料の薬草が一定数以上売れたら加工品の武器や回復アイテムになってショップに並ぶ加工システムも入れたいので、そのアイテム加工一覧とか作るのにも苦労していて、しかもアイテム合成と言う新しく作るシステムにも絡んでくるから、あっちを変えたらこっちも直さなくてはみたいな感じで全く進まなくて、日々地道な作業が永遠と続いている。


「ヤマヒコさん、少し作ってみました」


月読命さんのパソコンの画面をのぞくと、画面内に小さなスマホの画面が表示されていて、そこに表示されているマップをタッチするとタッチした場所に壁が現れて設置された。


「まだ壁しか設置できませんが、このまま作っていけば床や魔物も設置できる様になります」


「おお!」


僕が考えた物が目の前で形になっていく。それは凄く新鮮で感動的だった。


大変だけど、こうやってできた物を人々に遊んでもらえて、それを見る事ができたらと思うと頑張れる気がする。


ブブーッブブーッ


僕のスマホが振動してメッセージを知らせた。


みて見ると、エヒメちゃんからのメッセージで、


『見てみて!400階まできたらロボットが沢山居て戦ったよー!まだ先にも沢山居るみたい!まるでダンジョンみたいだねー!』


添付された写真を見ると、重火器に足が生えた様ないかにも戦うロボットって感じの残骸が山積みにされていて、その上にエヒメちゃんが乗っかってイエーィとポーズしていた。


人の家で好き放題あばれているエヒメちゃんの姿に頭がクラクラしてきた。


それにしても、ずっとお祖父ちゃん家は大きいだけで普通のビルだと思ってたけど、もしかして何か秘密があるのかな?後でお祖父ちゃんにきいてみよう。

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