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月読命さんの企画書

企画書を書き終わったので、月読命さんに見てもらう事にした。


「うん、これだとただの説明文ですね」


「やっぱりそうかー、企画書って見た事ないから文で書く位しか思いつかなかったよ」


「企画書というのは、この企画は素晴らしいから皆で作ろうというアピールをする為の物なので、ひとめでこれは良いと思わせる必要があります。単調な文だけではなかなか伝わりにくいので、図やイラストを入れて配置も考えて見やすく、字のサイズや色も変えると良いでしょう。これは私が書いた企画書です」


月読命さんの企画書を受け取り読んでみる。


なるほど、文章を図にして並べる事によってゲームの流れがひとめでわかるし、イラストは下手くそだけどゲーム画面がどうなるのかイメージできる。字のサイズも大小使い分けて、何が重要なのかひとめで分かる……わかる、分かるんだけどこの企画書は……、


「月読命さん!ツルハシで発掘機能は付けないって言ったじゃないですか!」


「いいえ、発掘機能は絶対に諦めません」


企画書には、小屋で行ったリニューアル会議の時にボツにしたはずのツルハシで発掘機能追加について情熱的に書かれていた。


企画書の内容を簡単に説明すると、


全てのダンジョンの壁に一定確率で宝石が埋まっている。埋まっている壁は小さく輝いて見分ける事ができる。


その壁をツルハシで叩く事で、様々な宝石や鉱石のアイテムを手に入れる事ができる。


手に入るアイテムは壁の種類とツルハシの持つ発掘Lvによって変わる。赤い壁ならルビー、透明な壁ならクリスタル、発掘Lv1なら石コロ、Lv99ならダイヤモンドなど。


発掘したアイテムは、装備などのアイテムの製造に使ったり、ショップに売ったりする事ができる。


ショップでは需要と供給のバランスで値段が変動する。高いダイヤモンドでも沢山売れば安くなり、石コロでも誰も売らなかったり、誰かが大量に買えば高くなる。


よって何を発掘したら効率良く稼げるのか考えて行動したり、使わないで放置していた石が高くなって大儲けできたなど様々な楽しみが増える。


そしてアイテム説明から、そのアイテムを最も多く発掘した発掘ランキングや、多く所持しているコレクターランキングをみる事ができる。


私は全てのアイテムの発掘ランキングとコレクターランキングで1位を目指します。


……目指しますじゃないよ。何で運営スタッフが1位になろうとしてるんだよ。しかもゲーム変わりすぎでしょ。これだと誰も魔物倒さなくなるから色々おかしな事になるよ。


「読み直して、やはり発掘機能は必要だと分かりましたか?」


淡々とした性格の月読命さんが目をキラキラさせて見つめてくる。ここで駄目だと言わなければならないのに、心が締め付けられる。


キラキラキラキラキラキラキラキラ


あーもうだめだ。


「分かりました……。僕の案の邪魔にならない範囲なら採用します……」


「ありがとうございます」


月読命さんの熱意に負けた僕は、仕方なく発掘機能を付ける事にした。


月読命さんが居ないと誰もプログラミングできないんだから仕方ないよね。


「ヤマビコ君〜」


「エヒメちゃんの企画書は見ないからね!」


「そんなぁ〜」


どうせウサギダンジョンでしょ?

絶対却下だよ!

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