表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/108

ダンジョンを作れる機能

「誰でもダンジョンを作れるってどういう事ですか?」


「ウサギダンジョン作れる!?」


月読命(つくよみ)さんとエヒメちゃんが体を乗り出して質問してきた。顔が近い!もうちょっと離れて!エヒメちゃんは目が肉食獣みたいになってて怖い!


「文字通り、ダンジョンを作れる様にするんだよ。ダンジョンを探索して集めたアイテムで壁や魔物や罠を作って自分だけのダンジョンを作るんだよ。

そして、5階10階と5の倍数の階だけはボス階だからいじれないけど、他の階はプレイヤー達が作ったダンジョンを1階ずつランダムに並べてプレイヤー同士で探索できる様にする事で、自分が作ったダンジョンで遊んでもらえる面白さを体験できる。クリアした時に評価ボタンを付けて人気が高いダンジョンがより多くの人が来る様にしていけば自然と面白いダンジョンに成長して行くって仕組みだよ」


「なるほど、それなら他のゲームに無い珍しいシステムですし人が集まってきそうですね。しかし、ボスを倒すためのリニューアルでしたよね?」


月読命さんが不思議そうに手を頬に当てて首を傾げた。


「ボスは何万何十万という人数でゴリ押しすれば倒せるはず。それに邪神を倒すだけが目的ではないんだよ」


「と言いますと?」


「勇者達がダンジョンを作る事によって、ボス部屋を占拠している邪神も同じ1人のプレイヤーとして扱う事ができる。そして自分の作ったダンジョンが評価されたりプレイヤー達と交流する事によってお互い分かり合えたらいいなと思うんだよ。邪神って月読命さんのお母さんなんでしょ?元はきっと月読命さんに似て優しい人だったと思うんだ」


「ヤマヒコさん!」


月読命さんが感動して抱きついてきた。


「私、ずっと1人でお母様を見守ってきて、誰も助けようとしてくれなくて、私も何もできなくて……。お母様を理解しようとしてくれたのはヤマヒコさん、貴方が初めてです!」


月読命さんが涙を流しながら震えている。僕はそっと抱きしめてあげた。


「い〜なぁ〜」


エヒメちゃんが羨ましそうに指をくわえてこっちを見ている。頼むからいまだけは邪魔しないで!っと目で訴えたら分かった様でおとなしく待ってくれた。


「ぐすっ、すみません取り乱しました……」


5分ほどで月読命さんは落ち着きを取り戻した。月読命さんって冷静そうなのイメージに意外と情熱的だよね。


「じゃあアタイのばん!」


月読命さんが離れるとエヒメちゃんが待ってましたとばかりに抱きついてきた。いや、エヒメちゃんは関係ないでしょ?何で抱きついて来るの!?


「あっ!雨です逃げましょう!」


「えっ!?」


小屋の外を見ると、いつ降り出したのか凄い勢いで雨が降っていて、すこし雨水が小屋に進入してきていた。


「行きますよ。早くしないと小屋が沈みます」


「マジで!?」


僕は急いで小屋から出ようとしたが、エヒメちゃんが抱きついていて重い。


「エヒメちゃん!逃げるから離れて!」


「えー?もうちょっとだけ〜」


仕方なくエヒメちゃんを引きずって逃げ出した。


雨や泥で全身ベタベタになってしまった。後ろを見たら小屋が水たまりの中に沈んでいた。もうちょっと高い場所に作るとかすればいいのに。月読命さんは本当に謎だらけだね。


僕達はそのまま近くにある村の門に逃げ込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ