天照と月読
月読命さんの話を聞いて10分ほど経ったが、太陽は月と重なり明るくなる様子はない。
「まさか本当にこのままずっと暗いままなの?」
僕は月読命さんに尋ねた。月読命さんは弱々しい太陽を見つめうなずいた。
「太陽は私の姉、天照の神気エネルギーで輝いています。大昔に一度、姉の気分が落ち込んで引きこもった時に同じ事が起こりました。あの時は大勢の人々を集めて祭りをして姉の気分を盛り上げましたが、今は私達合わせても3人。最低でも100万人は集めないといけませんが、人口の少ないこの世界では非常に難しいでしょうね。恐らく太陽はこのまま暗いままです」
え!?アマテラスさんって僕に対する罪悪感で寝込んでるんだよね?何で僕達が困らないといけないの?何その面倒くさい性格。暗いままだと農作物とか家畜が育たなくなるから大変なんですけど。僕が許すって言ってもダメなの?」
「前回の経験からするとダメでしょうね」
「100万人ってどこに集めればいいの?首都ならまだギリギリ100万人いるかもしれないけど、村とかだったら無理だよ?」
「ゲームの中です」
「え?」
「この世界でお姉様に会えるのはゲームの中だけです」
「それってどういう事?」
まさかアマテラスさんもカカシちゃんみたいにコンピュータとかじゃないよね?でもそれだと太陽との関係分からないし、うーん分からないなあ。
「ヤマヒコさんって転生者ですよね?お姉様はヤマヒロが転生前に居た世界、現実世界にいます。会うには死んで逆転生するか私経由で繋がっているゲームの中で会う事しかできません」
「えっ!?あのゲームって現実世界の人もプレイできるの!?」
「そうです。現実世界と通信できるのは私の能力です。姉は人ではなく女神ですけどね」
「女神!?アマテラスさんが!?」
もう、色々ありすぎて訳がわからないよ。