表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/108

エヒメちゃん復活!

僕は、ゲーム説明部屋の壁に映し出された5階の映像を見てモヤッとしていた。


「さっきのアマテラスさんの攻撃、必要なかったよね?」


『ソウデスネ、あのままデモ勝手ニ自爆シテ勝ってマシタネ』


「というか、アマテラスさん6階に行ったけど何してるの?」


天照(アマテラス)様はヤマヒコサンが倒されて戻って来る前にココに来て現実を調べて、激ムズモードとか燃える〜!とか言ってマシタヨ?アノ方はカナリのゲームマニアなノデ、普通にゲームを楽シンデイルダケだと思イマス』


「何だよ、全然反省してないじゃないか、ボスを倒すの手伝ってくれるから良いけど先に行っちゃったし何考えてるんだよ、自己中心的だなまったく……」


僕はモヤッとしながらも楽しそうにゲームをしているアマテラスさんが頭に浮かんで中々憎めなかった。なんだかんだ言って無鉄砲な彼女の事がちょっと好きなのかもしれない。


「ヤマビコ君……」


「え!?」


ゲーム内ではなく現実の自分の後ろから声が聞こえ、ビックリして振り向くと、さっきゲーム内で倒されたはずのエヒメちゃんがいた。


「ヤマビコく〜ん!!」


エヒメちゃんがジャンプして抱きついて来た。涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃで服にべったりと着いちゃうけど気にしないでギュッと抱きしめ返してあげた。


「ボスになった人を倒すと、その人は解放されるようです」


抱きしめあっている横から月読命さんが説明をしてくれた。


「それなら全てのボスを倒せば、みんな助かるわけだね」


「その様ですね。ただ、かなり強くなっている様ですし、今のままで戦い続けられるかどうか……」


「せめてアマテラスさんが一緒に戦ってくれたらいいのにね」


「普段は優しい姉なのですが、ゲームになると何故か常に1人で好き放題暴れる一匹狼(ソロプレイヤ)になってしまうので、恐らくムリでしょうね。勝手にボスを倒してくれるのを期待するくらいですね」


アマテラスさん普段は優しいのか、意外だなあ。ゲームをすると人が変わるとか車を運転すると人が変わるみたいなやつだよな何か分かる気がする。……あれ?


「そういえば、99階を目指した時はアマテラスさん、ちゃんと2人で戦ってくれたよ?」


「え!?あの姉がそんな事したのですか!?」


「そんな珍しい事なの?」


「姉が誰かとゲームするなんて一度も見た事が無いですよ?きっとヤマヒコさんの事がよっぽど気に入ったのですよ」


いや、多分ガチャガチャをしてくれる金ヅルだと思っただけじゃないかな?


「スゥスゥ……」


腕の中をみるとエヒメちゃんが泣き疲れて眠っていた。


エヒメちゃんの可愛い寝顔を見ていたら頭がフラッとした。


「そういえば、徹夜でゲームしてるんだよね」


「そうですね。私は夜型なので慣れているのですが少し寝て休みましょう。狭いですがどうぞ入ってください」


月読命さんが入っていり小屋へと手招きした。


「え?それはちょっとどうかと思うんだけど」


「徹夜明けは体が冷えます。タダの小屋ですが外よりは暖かいですよ」


確かに、地面で寝ると底冷えしそうだしエヒメちゃんの体調も気になるから甘えさせてもらうかな。


「じゃあおじゃまします」


寝てるエヒメちゃんを引っ張って小屋に入れて3人、川の字になって寝た。月読命さんとエヒメちゃんの体温を感じて暖かい。


僕は長い長い戦いの束の間の安息を楽しむのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ