まさかの事実
99階は、紫色の禍々しいオーラが立ち込めていた。
そこに、エヒメちゃんやツクヨミ先輩を始め、何故か僕の兄貴や僕の母やエヒメちゃんの母や王国の四天王やその部下の兵士達、総勢300人程が必死に何かと戦っていた。
「邪神!旦那の仇!!」
エヒメちゃんの母(女王)が叫んだ。
邪神!?まさかリアルダンジョンに居た邪神がゲームの中に!?
しかもどうやら邪神は1体ではない様で、あちらこちらで戦っている。
「あっ!ヤマビコ君だ!」
エヒメちゃんが僕を発見した。
「こちらが安全です。私の近くへ」
「ツクヨミ先輩!」
ツクヨミ先輩は、範囲回復魔法の【月の光】を使って安全地帯を作っていた。
「回復アイテムと新しい武器です」
「助かります!では行ってきます!」
ツクヨミ先輩がエヒメちゃんや人々にアイテムを渡して補給役もつとめている様だ。
でもこの状態は一体何なのだろうか?
「ヤマヒコ君、大変な事になりました。母……いえ、現実世界の邪神がスマートホン経由で、このゲームを改変してエヒメちゃん達をゲーム内に閉じ込めてしまいました」
「何だって!?」
だからゲームなのに、兄貴や他の邪神と戦いに行った人々がいるのか。邪神のチートの力は何でもありだからヤバイとは思っていたけど、ゲームの中に人々を閉じ込めるとか無茶苦茶すぎだろ。
「おそらくゲーム内の邪神を倒せば、みんな現実世界に帰れると思いますが、邪神がチートによって恐ろしい強さになっていて攻撃が全く効かないのです。私の秘蔵の+99武器コレクションを皆に渡しましたが、全く歯が立たない状態で膠着状態になっています」
攻撃が効かない?それならアレがあるじゃないか!
「ツクヨミさん!ツルハシです!」
「なるほど!」
僕の話を聞くとツクヨミ先輩は皆に次々とツルハシを配っていった。
「皆さん!一斉にいきましょう!」
「「「おーっ!!!!!!」」」
全員がツルハシをかまえる。
そして……、
【【【猛烈粉砕!!】】】
300人分の防御無視の10連撃を邪神達に浴びせ、邪神は倒された。
と、思ったその時。
【ダメージ万倍反射!】
邪神達に与えたハズのダメージが万倍になり、見たこともない様な桁違いのダメージが僕達を襲った。
そんなバカな……。
100,000,000ダメージなんて、このゲームで見た事ないぞ、こんなのゲームじゃない。邪神に勝つ事なんて絶対できないじゃないか……。
僕は300人の仲間とともにチリとなって消えて行った。
僕達は全滅したのだ。