罠
「アハハハッ!まんまと妾の罠にハマったな!全てはお前にガチャガチャをさせ、金を使わせるための演技だったのだ!しかしツクヨミ達は間違いなくこの先にいる!お前はここで妾に倒され全ての装備を失い、また99階に行くために1階からガチャガチャをやり直しさらなる金を使うのだ!!」
「えっ!?ガチャガチャ?アマテラスさん、あなたはいったい何者なのですか?」
「妾は、天の岩戸ダンジョンのダンジョンマスターだ!」
何て事だ!アマテラスと言う名前で気付くべきだった。天の岩戸は神話で太陽神の天照が引きこもった洞窟だ。そして、このゲームの会社の名前も天照ソフト、ダンジョンマスターと言っているが恐らく会社の人間、金をむしり取るために僕に近づいてきたのか。
「妾の真の力をみせてやろう!太陽神!」
アマテラスの手のひらに、小型の太陽が生まれて浮き上がった。
太陽が巨大化していき大爆発を起こした。
カッ!!!!
うわっ!
ゴゴゴゴゴゴーッ!……ッ!ギャリッ!ギャリギャリッ!!ガガガガガッガッ……!!!!
凄い爆音とともに視界が真っ白になった。目がチカチカする。スピーカーからおかしい音がして一瞬スマートホンが壊れるかと思った。
画面を見ると、HPが残り8しか残ってなかった。スキル無視の八尺瓊勾玉を装備しているのに大ダメージをくらってしまった。
「フフフッ、この太陽神は魔法ではなく、妾が装備した通常の武器!さっきの一撃は通常攻撃だから八尺瓊勾玉では防げない!」
なるほど、あれは太陽の形の投げる武器なのか。それであれだけのダメージとか、どれだけ攻撃力高いんだよ。間違いなく神器より攻撃力高いぞあれ。
「さぁ!1階からやり直しよ!!」
アマテラスの手の上に小さな太陽が現れ、巨大化していく。
「草薙!」
僕は天叢雲剣を振って真空の波紋をアマテラスにぶつけた。
えっ!?
しかし、アマテラスに1しかダメージを与えられなかった。
「全ての装備を+99まで強化した妾の防御力は9999、どれだけ攻撃しようと妾を倒す事はできない!」
しまった!このままでは負けてしまう!早くエヒメちゃんに会いに行かないといけないのに……、何とかして勝つ方法を考えるんだ。
あっ!アレを使えばもしかしたら!!
僕は、起死回生の手段を思い付き実行した。