速攻で駆け抜ける
大火炎!大火炎!大火炎!
「草薙!!」
沼の表面を炎が覆って魔物を焼き尽くし、そこに画面全体に真空波が広がって炎ごと真っ二つに切り裂いた。
今、僕達は65階のボス、大蛙を周りに大量にいた巨大オタマジャクシごと倒した所だ。
沼は泥が足にまとわり付いて動きが極端に遅くなるし、オタマジャクシはいくら倒しても増え続けるし、大蛙は舌で遠距離攻撃してくるし大変だった。
それでも、アマテラスさんの魔法と僕の天叢雲剣+30の攻撃で何とか倒せた。八尺瓊勾玉も+28まで強化してある。
出てくるボスがやたら強くなった原因は未だに不明で、仕方なく三種の神器を強化して強引に倒している。
ガチャガチャを何回したかはもう覚えていない。そんな事より早くエヒメちゃんに追いつかなくては。
「ヤマヒコさんまたキツくなってきたのでガチャガチャしてください」
僕は言われるままにガチャガチャをまわした。
「また八咫鏡は出なかったよ」
「残念ね」
かなりの回数まわしたのに、いまだに八咫鏡がでない。まぁそのうち出るはずだから気にしない事にした。
剣と勾玉を強化して先を急ぐ、すでにゲーム開始から何時間も過ぎていて、現実の世界は夜になってしまっている。
そういえば、兄貴達はいつ帰ってくるのだろうか?ちょっと遅くないか?後片付けとかで遅くなってるのかな?エヒメちゃんは無事に救出されたかな?
色々な疑問が浮かぶが、今はゲームでエヒメちゃんに追い付かなくてはいけないので、スマホの画面に集中した。
それから1時間もしないで70階のボス、蜂を倒して、またガチャガチャをして強化し、その後75階のムカデを倒し、80階、85階、90階、95階と進んで行った。
95階のボスは八岐大蛇だった。8つある頭を短時間で全て斬らないと、頭が復活する面倒な魔物だった。倒したら八岐大蛇から天叢雲剣が出たので、強化に使ってついに+99になった。パラメータ表示の限界が999なので見ても分からないが、アマテラスさんの話によると攻撃力9999になっているらしい。
そして98階に到着した。
次でエヒメちゃんが目指しているという99階だ。
98階はボスも居ないのに広い部屋1つしかない。
仕方ないので進んで行くと行き止まりだった。
「あれ?どうやって99階に行くんだろ?」
僕が立ち止まって辺りを見ていると、アマテラスさんが壁に向かって歩き出した。
「フフフッフフフフッフハハハ!!」
アマテラスさんが急に笑い出した。