ファーストコンタクト
天国の父さん、母さん元気ですか?
僕は今、絶賛死にそうです。
どうでもいいことですが、僕はしゃべるドラゴンに追いかけられています。
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俺がこっちの世界の母さんことクリムさん(これからは母さんと呼ぶように努力する)に拾われた次の日、高校生という特性を持つ俺はその特性ゆえに学校に遅刻しない程度の時間帯に目がさめる(だいたい6時くらいだ)。しかしこちらの世界かどうなのかは知らないがこの家では、早くないらしい。この家の主で母さんはどこにもいない。
突然だが、この家について説明しよう。この家は大きな丸太を組んで造ったログハウスのような作りになっている。一階建てであるが部屋数が結構ある。1人暮らしと言っていたがベットもたくさんある。何でも子供たちや友人が泊まりに来る時のためだとか。
この山を登って遊びに来る人たちだきっとゴリマッチョの化け物だ。母さんが何であんなに細いのかわからない。
そんなことを考えながら昨日案内された家を見て回る。家の中にいないなら外だろうと思い外へと続くドアを開けた。
「グルルゥ〜」
真っ白な恐竜だ。羽の生えた真っ白な恐竜がいる。
俺は勢いよくドアを閉めた。
「まさかな、だって女神が言ってたもん。この山生き物いないって
母さんしかいないはずだもん。」
口調がおかしくなっているがそんなことは気にしてられない。
俺はもう一度ドアを開けた。
「グルルゥ〜」
ドスン
あっ、歩いた
俺はまた勢いよくドアを閉めた。
「ガチだーガチなやつだ〜、落ち着け〜俺、落ち着くんだ。そうだ!素数を数えよう。えっと1、2、3 あぁぁぁぁあああ普通に数えちゃったよ。つか、パニクってて素数わかんねーよ!!ヒッヒッフーヒッヒッフー」
もう死を覚悟していたその時外から母さんの声が聞こえた。
「大丈夫だから出てきなさい」
えっ?マジで?母さん生きてるの?
「勝手に殺すな」
おや、うっかり口に出てしまったようだ。
外に羽の生えた恐竜もといドラゴンがいたことで勝手に食べられた認定をしていた。しかし意外だ、知り合ってたった1日の母さんの声を聞くだけでなぜか落ち着く。
とりあえず母さんが大丈夫なら大丈夫だろうという根拠のない確信を持ってドアを開けるとそこには口を開けた恐竜がいた。
図ったなシャ○ーと叫びかけたその時、おもいっきり舐められた。
顔がベトベトだ。
「ははは、仲良くなれそうだね」
えっ?母さんがおかしな事を言い出した。
今の味見だよね?仲良くなれそうっておかしくない?
「愛情表現さ、ちなみにこの子はあたしの9番目の娘のリリーあんたの姉になる子なんだから挨拶しな」
oh・・・・
初めて会った姉弟は、人外でした・・・・・・・
「よ、よろしく、ねぇさん?」
「うむ、よろしく頼むぞ。弟よ」
しゃべったーー
衝撃の事実なんて事だこの世界の恐竜はしゃべるのか?
いや地球でも生きた恐竜は見た事ないけどさ。
「む、弟よ、何か失礼な事を考えてないか?」
「えーとその〜、この世界のきょドラゴンはみんなしゃべれるの?ですか?」
「うむその事か、私はこれでも高位のドラゴンなのでな人の言葉の1つや2つ話せるぞ。それと家族なのだ。砕けた言葉で話してくれ」
なんて事だ。さらっとすごい事言ったぞ。確かドラゴンってだけでステータスがデタラメなはずだ。それが高位となるとやばいんじゃないだろうか?そんな感じで自問自答していると姉さんから思わぬ発言が飛び出た。
「まぁよい。これから修行の面倒を見る事になったからよろしく頼むぞ」
ちょちょちょっとまっておねさん?
ちょーっとおねえさん
修行の面倒見るってなんですのー?
「あんたは、刀術持ってるでしょ。だけど家に刀なんて珍しいものないしもちろんこの辺の国にもないだろうからあたしがありそうなところに探しに行くんだよ。その間、修行を見てあげられないからね。ちょうど家に来たこの子にあたしがいない間のあんたの面倒を頼んだわけさ。まぁそう言ってもやる事は体力作りと身体強化スキルのレベル上げくらいかね」
「うむそうゆう事だ。母上に頼まれた以上、手は抜けんのでな。生き残ってくれよ。弟よ」
俺の疑問を知ってかしらずか理由を答えてくれた母さんに物騒な事を言い出した姉さん。異世界に来て2日目だが過激な事が多すぎると感じる今日この頃である。
朝食の前に早速修行という事になった。
修行の内容を説明すると母さんはあっという間に山を降りていった。修行の内容は、簡単だいわゆる鬼ごっこというやつだ。
しかし永遠に鬼は固定、もちろんリリー姉さんだ。今更だがドラゴンにリリーってどうよ?と思ったが胸にしまっておく。
そんなこんなで鬼ごっこが始まった。
怖い怖すぎる。リリー姉さんは、口を開けて会いかけてくる。
姉さんに口を閉じてとお願いしたがそれだと迫力がないだろうと断られた。とまぁそんな感じで冒頭に戻るわけだ。
地獄の鬼ごっこが終わったのは昼頃だった。
姉さんには弟と遊ぶのが楽しくってつい時間を忘れてしまったと言われた。あんな笑顔で頭を下げられたら何も言い返せない。
なんでも高位のドラゴンはみんな人化ができるそうでリリー姉さんも修行の終わりに人化して俺に謝ってきたのだ。
結局、朝は抜きで昼を食べる事になった。昼はリリー姉さんがスープを作ってくれた。大きな肉がごろごろしていて食べ応えがありそうだ。肉は姉さんがお土産に取ってきたイノシシだそうだ。名前は知らないらしい。そもそも人種が勝手に生き物に名前をつけているだけなのでドラゴンである姉さんにはどうでもいい事だとか。なるほど、納得だ。
昼飯を食べながら姉さんにドラゴン事情を教えてもらった。
ドラゴンには、階級見たいのがあるそうだ。
竜神、竜王、高位、中位、下位という順番に低くなって別枠で邪竜、レッサーがいるらしい。邪竜は何かしらの理由で破壊しかもたらさなくなった竜をさし災いでしかないと姉さんは言っていた。邪竜になると竜に取っても人種に取っても討伐対象にされるそうだ。レッサーは本能に忠実で一部のドラゴンは同族と認めたくないくらいバカだそうで人種の認識では下位以下のドラゴンがレッサーと呼ばれるそうだ。
ちなみに姉さんはレッサーはドラゴンじゃない説派らしい。
そしてドラゴンにも属性がありリリー姉さんは光属性だと言っていた。
そんな話を続けて午後の修行を無くそうと思っていたのもつかの間、リリー姉さんはそれを許してくれなかった。
「今日はここまで、気になる事はまた明日教えよう。鬼ごっこの再会だ。」