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母さん

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「ハァ〜」

もう何度目かもわからないため息が出る。

間違えた場所に転移され駄女神とかした女神ディーナからの謝罪のようなものを女神様のメ◯帳(長い、以後メールと呼ぼう)伝いにもらってからというものもう12時間は歩いている気がする。

時計なんてものはないから、だいたいだ。

もしかしたら、あまりの精神的苦痛にそれぐらい時間がたっているように感じるだけであまり時間たってないのかもしれない。しかし、もう日は暮れ真っ暗だ。


今、俺が現在進行形で登ってる山だが少々おかしい気がする。あきらに高い高すぎるのだ。

今俺がいる場所から見下ろすと周りの山の頂上が見える。それだけでも都会っ子の俺には異常だが、山頂を見上げると頂上が雲で見えない。さらに酸素が薄く、途中からものすごく斜面が急になったのだ。

なんと凄まじいコンボだろうか。某格闘ゲームの10連コンボ並の威力だ。俺の精神はボロボロだ。

えっ?空腹はないのかって?そんなものはそこらへんになってる果実を食った。今の所お腹は大丈夫だがもしかすると明日あたり盛大にお腹を壊すだろう。


話しはかわるがそもそもなぜ俺がここまで登ってこれたのか、おそらくスキルの身体強化のおかげだろうと思う。lv1だがかなり役立っている。

もしスキルを持っていなかったら今頃は、今の半分も登れないで俺はくたばっていだだろう自信がある。

身体強化様様だ。これからは、身体強化先輩と呼ばせて貰おうか。



龍は知らない。この山を登るだけで身体強化のスキルに関しては、すでにlv4にまでなっていることに。この山は中腹の少し上あたりから劇的に険しくなる。どんな人間でもこの山を登りきれば、身体強化のlvは3間で上がるのだ。だが人々はこの山を登らない。どんな馬鹿でも例え追ってから逃げている逃亡者であっても迂回するのだ。その理由は後々わかるだろう。



何度目かもわからないため息をついてから1〜2時間歩いた。

眠い。日が暮れたあたりから睡魔が俺を襲ってきていた。

この山は、生物がいないと言っていた。寝てる間に襲われることはない。少し寒いというよりかなり寒いが雪が降ってるわけでも積もってるわけでもないので今の俺ならここで一晩寝ても大丈夫だろう。漠然とだがそんな気がする。


「俺は頑張った。もう眠いよ。パト◯シュ」


意識が沈んでいく中音を聞いた。

バサ、バサ

何かの羽ばたく音が聞こえる。お、マジでお迎えか?

随分と重い羽の音だな。


「まったく、こんなとこで寝るなんて馬鹿な子だね。あんまり遅いから迎えに来ちまったよ」


そんな声が聞こえたが、俺の意識は限界に来ていた。

声が聞こえた方を見ようとしたがそこで俺の意識は途切れた。



--------------------


目が覚めた。昨日は山で寝たはずだが俺はベットの上にいる。

無性にあの言葉を言わなくてはという感情に襲われる。


「知らなっ「目が覚めたかい?」くっ、、、」


せっかくあのセリフを言おうとしていたのに誰だ俺の邪魔をする奴は!!

と心の中で叫びながら声がした方を見るとそこには、目はキリッとしてて顔は凛々しく褐色の肌で綺麗な赤い髪を伸ばした女性が立っていた。


「ここは、どこだ? あんたが助けてくれたのか? つか、あんた誰だ?」


俺は頭に浮かんだ疑問を口々に言葉にした。


「ちょっ、ちょっと待ちな。そんなにいきなり聞かれても答えられないよ。まったく死にかけてた人間とは思えないね」


まて、今こいつはなんて言った?死にかけてた?

あそこで俺は死にかけていたのか。今思うとあの時の俺はおかしかった。夏服の学生服のままであの寒さを大丈夫と思うのはおかしすぎる。いくら異世界に来て勇者補正とやらで強くなったとしてもまだ俺はlv1なのだ。きっと頭が混乱していたのだろう。そう考えると死にかけていたというのもあながち嘘というわけではないだろうと思える。


「落ち着いたかい? じゃあ、今の状況説明をしよう。説明の中にあんたの知りたいことの解答も入れるからね。まず自己紹介からだ。あたしは、クリム、ただのクリムだ。これからあんたの母親に成る。「ちょっとっ」 話しは最後まで聞きな!」


「はい」


母親とかよくわからないことを言われたが話しを最後まで聞かなければいけない気がしてきた。けして聞きなって怒鳴られたからじゃないんだからね・・・・・・ホントだからね!!


「いい子だ。続きを話すよ。ここは、あんたが登ってた山の頂上にある小屋だよ。あんたは頂上まであと少しのところで死にかけてたのさ、でディーナからあんたを頼まれたあたしはあんたを迎えに行ってここまで連れてきたってわけさ。わかったかい?何か質問は?」


「クリムさんは・・・」


「母さん、母さんと呼びな、それにもっとくだけた口調でいいよ。これからしばらく一緒にいるんだらね」


「いや、さすがに18歳で母さんはちょっと元いた世界にも母親は、いたわけでして・・」


「なに言ってんだい。今のあんたは15歳だよ。あたしは魔眼持ちだからね。間違いないよ。18歳っていうなら大方ディーナのサービスか何かだろうね。この世界の成人は18歳だからね。18歳でlv1はまずありえない。だから修行期間でもくれたと思いなさいな。あとこの世界のあんたの親はあたしだ。わかったね?」


すごい見幕だ。ここは母さんと呼ぶのが賢明だろう。別に母さんが嫌なわけでもない。

早くに親が死んで母さんと呼べる人がいなかったらった俺に母さんと呼べる人ができるのは素直に嬉しい。

年齢が若くなったのもまぁいいだろう。山を登っている時にはまったく気がつかなかった。山で死にかけていたことといいそれだけ切羽詰まっていたのだろう。

なんだかんだ言ってあの山を登っている時の俺には不安がいっぱいで余裕がなかったのかもしれない。


「わかったよ。母さん」


「よし、まだぎこちないけどいいじゃないか。これでもあたしは子育ての経験が豊富なんだ。これからバシバシしごいて一人前にしてやる」


余談だがディーナと母さんの関係を聞いたらちょとねと誤魔化された。まぁ時期がきたら教えてくれるかもしれないと言われたのでそれ以上は聞かなかった。話してるうちに俺のお腹がなったとのでご飯を食べることになった。

随分と久しぶりに感じる肉だ。淡白な肉質の肉に塩をかけて焼いただけだったがかなり美味かった。何の肉か聞いたらビックフロッグと言われ大きなカエルを想像した時は何とも言えない思いがした。

異世界で初めて食べた料理はゲテ物だった。

いや、焼いただけだからこれを料理とするのはやめよう。そうしよう。

俺は、軽く現実逃避をするのであった。

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