人か竜か
「どうだい?ステータスが面白いことになってるだろう?」
俺がステータスの変化に衝撃を受けていると母さんが話しかけてきた。
「リュウ!私たちにも見せてください!」
マリー姉さんに言われてみんなにステータスを見せる。
「リュウ・プロミネンス・・・・」
「姉さん!」
「リリー!」
「「リュウ」」
俺の名前を見た姉さん達が違いを呼び合い最後に同時に俺の名前を呼んで抱きついてきた。手加減なしに抱きついてくる2人の衝撃は少し、いやかなりキツイ。だが、今の俺にとってはこの衝撃も嬉しい。
やっと家族になれたのだ。ただ家の家名がプロミネンスというのは初めて知った。
「やっと、やっと本当の姉になれた!」
「うむ、そうだな。マリー姉さん(グスン」
2人の様子を見て俺はつくづく幸せ者だなと思った。
「まったく、あんた達は・・・ 仕方ないね。リュウもう少しそのままにしといてあげな」
「わかった」
「む、リュウが倒れた時一番心配していたのは母上殿ではないか」
「うっうるさいね!あたしはリュウなら大丈夫って信じてたよ!それよりリュウのステータスについて幾つか説明しちまうよ」
母さんがどもった。顔も少し赤い。こんな母さん初めて見た。
初めて見る母さんの顔に嬉しくなりニヤついてしまった。
「リュウ!ニヤニヤしない!!」
「はっはい!」
くっなぜ俺に飛び火する。リリー姉さんを怒ればいいのに。
「じゃあ、幾つか説明しようか。まずは、名前だね。もう気づいていると思うけどプロミネンスは家の家名だよ。血族の儀式はもともと王族や貴族が養子を取る時に使っている者だからね。発動した者の家名が儀式を受けた者の家名になるのさ。そして種族だね。竜人ね、おめでとう無事に進化したみたいだね。竜人は聞いたことない種族だからリュウしかいないだろうね」
「リュウはすごいな!それに称号に竜に近い人?ってあるからどっちかというとリュウはドラゴンである私に似たんだな!うむ」
リリー姉さんがよくわからない持論を展開してマリー姉さんにドヤ顔をかましている。
「何言ってるんです!リリー!リュウは竜に近い人?ですよ。つまりあくまで人なんですよ。つまり人種であるこの私に似たんです‼︎」
お、マリー姉さんが反論した。
「ふっ甘いぞ!マリー姉さん!よく見ろ!人?ってなってるだろう。これはもう人かどうか怪しいむしろドラゴンよりって意味に違いない‼︎さらにマリー姉さんエルフならまだしもあなたはハイエルフだ!ハイエルフはエルフの延長上だがその寿命、能力から見てもはや人種ではあるまい。よって竜は私に似ているのだ」
「そっそんな‼︎」
マリー姉さんの顔が驚愕にふる得ている。しかしリリー姉さんや、人か怪しいってちょっと傷つくぞ。
「馬鹿言ってんじゃないよ、リュウはリュウだろう、まったく」
「そうだよ、姉さん、誰似てるかなんて関係ないよ。俺はみんなのリュウだって言ったろ?」
「「リュウ〜」」
ガバッ
姉さん達がまた突撃してきた。
「はいはい、説明の続きをするよ。えーと称号はいいとして次は竜魔法か、普通は火竜魔法や水竜魔法って感じで属性がつくんだけどあんたは多分全部使えるね。まぁ属性がつかない竜魔法は前例がないからね、後で試してみなくちゃいけないさね。あと竜の心これはリュウだけのユニークスキルだろうね。効果は自分でみなね。なんか質問はあるかい?」
「あぁ、竜魔法ってなんだ?」
「竜魔法かい?まぁあれだね、ブレスとかだよ。ドラゴンができることが大抵できるようになると思っていいよ。空飛んだり、各属性のブレスはいたり、人間が使う魔法より自由に属性を操れるよ」
それはすごいな。つまり俺の発想次第でどうにでもなる魔法ということか。しかし全属性が使えたら今までの魔法の練習が意味なくなるな。ちょっとショックだ。
「ありがとう。面白そうな魔法だな」
母さんに礼を言って俺は竜の心に意識を集中した。
竜の心
・階級を問わず竜の言葉がわかるようになる。
・ドラゴンソウルが使えるようになる。
ふむ、言葉が通じるのはいいことだ。低級のドラゴンとも話せるってことだ。できることならドラゴンとはあまり争いたくないからな。今の俺はドラゴンにかなりの親近感を持っている。
ところでドラゴンソウルとはなんだろうか?俺はドラゴンソウルに意識はを集中する。
ドラゴンソウル
・任意の属性のオーラを纏うことによりステータスのすべての値を+5000する。
・ドラゴンソウルを纏っている間は纏っている属性の魔法しか使えない。
・ドラゴンソウル使用後はステータスが半減する。半減時間は使用時間の3倍の時間がかかる。
これは、強いぞ。しかしデメリットもあるのか、使い所を考えなくちゃいけないやつだな。強敵を倒しても半減時間に殺られるかもしれないからな。
「そういえばリュウ!昨日刀おったんだってね」
「ごめん、せっかく母さんが持ってきてくれたのに」
「ハイハイハーイ」
俺と母さんが話しているとエフィーが手を上げて割り込んできた。
「なんだエフィー?それより妖精王ってなんだよ」
「そんなことより〜リュウくんの武器私たちが作りたーい」
「私たちってことは妖精王たちもかい?」
「そうそう、リュウくんのためにみんなでがんばるよ〜」
ん〜作ってくれるのはありがたいが妖精が武器なんて作れるのか?
「いいんじゃないかい。妖精は器用だからね。いい武器を作ってくれるはずさ」
「わかったよ母さん。じゃあエフィーお願いできるかい?」
「ハーイ、旦那様のために喜んでー」
聞き捨てならないセリフを言ってエフィーは駆け出した。
もう姿は見えない。まぁいいか帰ってきたら色々話そう。
妖精が作る刀か、さしずめ妖精刀と言ったところだろうか。刀を見るのが楽しみだ。