表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/128

STORY18-2 『気持ち悪い…』

次の日。

柚子葉は食堂で真希達と食事を取っていた。

今日は深夜と翔は一緒には食事を取っていない。

食べ終わえた柚子葉は職員室に行くために立ち上がった。

真希は立ち上がった柚子葉に話しかけた。


「柚子葉どこか行くの?」

「うん。職員室にちょっとね。じゃあ、行ってくる」


職員室に入ると勇一が近くに立っていた。

柚子葉に気づいた勇一が柚子葉に近づく。

周りには聞こえない大きさで柚子葉に話しかける。


「今職員室の中には子供がいる先生いないから。探すか放課後にまた来たほうがいいぞ」

「あ、はい。ありがとうございます」


柚子葉は勇一の言葉を聞いて職員室を出た。

真希達がいる食堂に戻ろうとも思ったがもう教室に戻ってるかもしれないと思い教室に戻った。

教室にはまだ真希達の姿がなかった。

翔がなにやら勉強をしていてその隣で深夜がアドバイスをしている。

二人に近寄ると気づいた深夜が声をかけた。


「珍しいな。一人って」

「職員室に行ったから」

「あぁ、そっか。で、いい情報は得られた?」

「ううん。子供がいる先生がいなかった。また放課後に行こうと思ってる」

「そっか」


二人の会話を聞いていた翔が話しかけてきた。


「何?どったの?」

「来週秀太が誕生日なの。でも、まだプレゼント買ってなくて…」

「あ〜、それで先生達に聞こうってことね」

「うん」

「あれ?でも勇一さんなら答えれるんじゃないか?深夜が小さい頃ってもう勇一さんや忍さんが面倒見てたんだろ?」

「俺もそう思って聞いたんだけど二人ともあまり覚えてなかったんだよ」

「そうか。じゃあ、やっぱり先生に聞いたほうが早いだろうな。…あ、深夜ここは?」

「あ?どこだよ」


深夜は問題集を覗き込んで翔に問題を教え始めたので柚子葉は自分の席に座った。

少しして、真希と圭も教室に戻ってきて昼休みが終わるまで他愛もない話をした。

そして放課後。

柚子葉が職員室に行くために歩いていると後ろから誰かが柚子葉に声をかけた。


「柚子」


柚子葉はその声を聞いて誰だがすぐに分かった。

振り返るとやはりそこには深夜が立っていた。

手には深夜のカバンと柚子葉のカバンの二つを持っていた。


「深夜、どうしたの?」

「俺も行く。ついでにそのまま帰れるようにカバンも持ってきた」

「あ、ありがとう」


柚子葉はお礼を言って深夜からカバンを受け取った。

深夜と柚子葉は二人揃って歩き出した。

職員室に入り周りを見渡すと一番近くに松田が立っていた。


「とりあえず近くにいるから松田に聞いてみるか?」

「そうだね」


深夜は柚子葉が頷くのを見て松田に近づく。

松田は深夜と柚子葉が近づいてくるのを見て仕事の手をやめた。


「どうした?」

「ちょっと聞きたいことがあるんすけどいいっすか?」

「俺に?何だ?」


深夜は柚子葉に目配せをして聞くように促した。

柚子葉は一歩前に進んで松田に聞いた。


「松田先生って子供いますか?」

「は?急にどうした?」

「弟にプレゼントを買わないといけなくて」

「弟?あぁ、あの子か」


松田は少し思い出すような仕草をした。

以前、秀太が学校に迷い込んだことがあるのを思い出したのだろう。

松田は二人に話しかけた。


「悪いけど俺のところは娘しかいないんだ」

「へぇ〜、年は?」


深夜は松田に聞いてみた。

隣で柚子葉は深夜の服を引っ張っている。

松田は二人の行動に笑みを浮かべて口を開いた。


「10歳と8歳。かわいいぞぉ」

「先生その顔やめたほうがいい」

「ん?」

「気持ち悪い…」

「山上!」


松田は深夜の言葉を聞いて声を荒げた。

深夜は笑ってその場を離れた。

柚子葉も急いで松田に頭を下げて深夜の後を追った。


「ちょっと、深夜」

「だってあの顔はねぇって。いい歳したおっさんの満面の笑みって」

「深夜が聞くからでしょう」


二人が話してると職員室に大竹が入ってきた。

大竹の姿を見つけた二人は近寄る。


「大竹先生」

「ん?山上に山下じゃないか。二人揃ってどうした?」


今度は深夜が先に口を開いた。


「先生って子供いるんでしょ?」

「あぁ。でもよく知ってるな」


大竹は二人を感心したような顔をして見た。

さすがに勇一から聞いたとは言えないのでその質問には答えず深夜はさらに質問をした。


「まぁ、そこは気にしないでください。男の子?」

「あぁ。今度の誕生日で5つだ」

「じゃあ、聞きたいことがあるんだけど」

「何だ?」

「その年頃の子供って誕生日に何あげたらいい?」

「は?…あぁ、山下の弟か?」

「お。察しがいいっすね。どこかの先生とは大違い」

「ん〜、それは誰のことを言ってるのかな?山上」


いきなり聞こえた声に深夜はピクっと肩を震わせた。

深夜はゆっくりを後ろを向いた。

いつのまにか松田が深夜の後ろに立っていた。


「いや〜、かわいい子供を持ってらっしゃる松田先生のことに決まってるじゃないですか」

「いまさら遅いわ」


松田は深夜の頭を軽く叩いて職員室を出て行った。

深夜は松田の後姿に軽く手を振ってまた大竹のほうに向きなおした。


「で、誕生日プレゼントどんなのがいい?」

「急にこっちに戻ったな。う〜ん、別に何でもいいと思うぞ」

「は?」

「いや、ある程度その子が喜ぶものだったらな。多分その年頃の子ってプレゼントをもらうこと自体が嬉しいもんじゃないかな」

「そんなもん?」

「そんなもんじゃないか」

「ふ〜ん、参考にするよ」

「ありがとうございます」


それから深夜と柚子葉は秀太のプレゼントを買いに街に出た。

あとがきはYAHOO!blogで書いております

興味があればお越しください

URL↓↓

http://blogs.yahoo.co.jp/in_this_sky

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネット小説ランキング>恋愛シリアス部門>「change the relation」に投票 「この作品」が気に入ったらクリックして「ネット小説ランキングに投票する」を押し、投票してください。(月1回)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ