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STORY17-6 『深夜!頑張って!!』

中庭に行くと深夜の姿は見えなかった。

とりあえず中庭を歩くと隅の木の下で寝ている深夜の姿が見えた。

横になっている深夜のところに歩いて行くと柚子葉に気づいたのか深夜が少し体を起こした。


「あれ?もう時間?」

「ううん。翔君に頼まれたの」

「翔に?」

「誰か近くにいたほうがいいって言ってたから」

「ふぅ〜ん。じゃあ、柚子も座れよ」


深夜はそういってまた横になった。

柚子葉は深夜の隣に座った。

柚子葉は横になっている深夜を見た。

視線を感じたのか深夜は目を開けた。


「何?」

「ううん。気にしないで」


深夜はなにやら言いたそうな顔をしたがまた目を瞑った。

が、やはり柚子葉が見ているのに気づいた深夜が目を開けた。


「だから何?」

「え?」

「さっきから見てるだろ?何かあったのか?」

「何でもないよ」


そういって柚子葉はどこか別のほうを向いた。

柚子葉の行動に違和感を感じた深夜は体を起こして柚子葉を引き寄せた。

急に引っ張られて柚子葉は深夜の胸の中に飛び込んだ。


「し、深夜!?」

「ん?」

「ん?、ってここ学校だよ!」

「だから?」

「だからって…」

「いいから」


深夜はそういって柚子葉を抱きしめる力を強めた。

柚子葉は困ったがそっと深夜の背中に手をまわした。

少しして深夜は柚子葉を離した。

深夜は立ち上がって柚子葉に話しかけた。


「もうそろそろ行くか」

「う、うん」


深夜は柚子葉に手を差し出した。

柚子葉は深夜の手を握って立ち上がり、二人並んで歩き出した。

柚子葉は歩きながら深夜に話しかけた。


「珍しいね」

「何が?」

「深夜が学校であんなことするの」

「なんか柚子が悩んでたから」

「え?」

「何を悩んでるのか知らんけど柚子の隣には俺がいるってこと」

「…」

「俺に言えないことなら井上とかもいるし、姉貴もいるだろ?だから、一人で悩むなよ?」


柚子葉は深夜の言葉を聞いてゆっくりと頷いた。

深夜は柚子葉が頷いたのを見て笑みを浮かべた。

深夜達が校庭に出ると翔達が近くに座っていた。


「翔、次の試合いつから?」

「ソフトは予選リーグ敗退だからもうない。で、サッカーが次。ちょうど呼びに行こうとしてたところ」

「ちょうどよかったみたいだな」

「そうだね」


深夜と柚子葉も翔達の近くに座って試合を見始めた。

試合が終わりに近づくと深夜と翔は立ち上がった。


「そろそろ行くか」

「そうだな。達志達も集まってるし」


翔の言葉どおり試合会場の近くにすでに他のメンバーが集まっている。


「じゃあ、行くわ」

「うん。頑張ってね」

「あぁ」


柚子葉の言葉に深夜は頷いて翔と一緒にメンバーのところに歩き出した。

真希は柚子葉に話しかけた。


「私達も行きましょうよ。近くで応援したいし」

「うん」


柚子葉達も立ち上がって深夜達のところに歩き出した。

柚子葉達が近づいてくるのに気づいた深夜が声を出した。


「結局来たのか」

「うん。あそこから応援しても聞こえないと思って」

「まぁ、あそこからは応援しても聞こえないだろうな」


深夜はさっきまで柚子葉達が座っていたほうを向きながら話した。

試合が終わるまで話して試合が終わったので深夜達はフィールドに入った。

深夜は相手のクラスを見て大村がいることに気づいた。


「あれ?大村たち負けなかったっけ?」

「得失点差で準決勝に上がれたんです。絶対負けませんからね」

「ほぉ〜。いい度胸だな」


深夜は大村の宣戦布告を聞いて口元に笑みを浮かべながら手を握って差し出した。

大村も口元に笑みを浮かべて深夜の手に自分の手を当てた。

そして、試合が始まった。

試合が始まって数分してもどちらのチームにも点が入らなかった。

大村は深夜についてプレイをしている。


「へぇ〜、お前結構上手いんだな」

「山上先輩だって上手いじゃないですか」

「まぁな」


深夜はそういいながら大村のマークを外そうと動いている。

が、大村も外されまいとしっかりと深夜をマークしている。


「しつこいなぁ」

「さっきの試合で山上先輩がサッカー上手いってこと分かってますからね」


二人が会話してるとまた女子高生の声が聞こえた。


「山上先輩〜!頑張ってください〜〜!」


深夜はその声を聞いてため息をついた。

それを見た大村は深夜に話しかけた。


「山上先輩、あれなんなんですか…」

「俺に聞くなよ。誰が言ってるのか知らんし」


深夜は本当に嫌そうに呟いた。

大村はそんな深夜を見て苦笑を浮かべた。

そこにまた女子高生の声が聞こえた。


「深夜!頑張って!!」


深夜は聞こえたほうを反射的に向いた。

声を出した柚子葉が恥ずかしそうにうつむいているのが見えた。

深夜はそんな柚子葉を見て口に笑みを浮かべて大村に声をかけた。


「わりぃな。お前の相手してる場合じゃなくなった」

「山下先輩に応援されてもマークは外させませんよ」

「それはどうかな」


深夜はそういって走り出した。

大村も深夜について走り出した。

大村はピッタリと深夜のあとを追ってきている。

深夜はボールを持っているチームメイトのほうを向いた。

チームメイトは相手のチームに囲まれている。

そこに翔が向かいボールを受け取った。

翔は深夜が走り出したのを見ていたのでボールをキープしながら深夜がマークを外すのを待っている。

深夜は走っていたが急に止まった。

大村はすぐには止まれず深夜のマークが外れた。

翔はそれを見てすぐパスを出した。

大村が深夜の後ろにすぐにくっつくが深夜はボールをそのままカカトで大村の股に通した。

そして大村をかわしそのままシュートを打った。

深夜のシュートはゴールポストの隅に決まりゴールネットを揺らした。


「よし!」


深夜はシュートが決まったのを見てガッツポーズをした。

そこに翔や達志達が集まってきた。


「ナイッシュー!」

「翔、ナイスパス」

「絶対にマークが外れると思ったからな」

「まぁ、あの声を聞いてどうにかしないと思ってな」


深夜はそういって柚子葉のほうを向いた。

柚子葉は立ち上がって深夜のほうを見ている。

深夜はチームメイトに向けて声をかけた。


「さ、まだ終わってない。気を引き締めようぜ」

「おぉ!」


それから何度か危ない場面があったが深夜や翔、達志が中心となって守り結局1-0で深夜達が勝利した。

あとがきはYAHOO!blogで書いております

興味があればお越しください

URL↓↓

http://blogs.yahoo.co.jp/in_this_sky

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