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STORY17-5 『お礼?何の?』

結局それから深夜がボールに触れることなく試合が終わった。

試合が終わって深夜が一人で柚子葉達のところに歩いていると声が聞こえた。


「山上先輩!」


その声に深夜が立ち止まりそっちのほうを見ると見覚えのある女子が立っていた。


「何?」

「あの、昨日はありがとうございました」

「昨日?」


深夜はその言葉に首をかしげた。

昨日というキーワードから何も思いつかなかった。

そこに翔が近寄ってきた。


「深夜、何やってんだ?」


深夜は翔のほうを向いて口を開いた。


「いや、こいつにお礼を言われたんだけど何のことだかわかんねぇんだ」

「お礼?何の?」

「さぁ。昨日って何だ?」

「あの、昨日泥棒に…」

「あ!思い出した。お前昨日の女子か」


深夜は女子の言葉でやっと思い出した。

翔はまだ何のことだか分からない。


「深夜、何のことだ?」

「あぁ、後で話すわ。とりあえず柚子達のところに行こうぜ」


深夜は翔を連れて柚子葉達のところに歩き出そうとした。

が、女子が引きとめた。


「あ、あの!」

「ん?何?まだ用事?」

「えっと、あの…」

「何?」


深夜が女子に聞いていると向こうからまた深夜を呼ぶ声が聞こえた。


「山上!」


そっちを見ると真希と圭が立ち上がってこっちを見ていた。

深夜は女子に向かって声をかけた。


「俺呼ばれてるから。翔、行こうぜ」


深夜はそのまま歩き出した。


「あ、あの…」


女子の声が聞こえたが深夜は今度は立ち止まらずに歩き続けた。

隣に並んだ翔が深夜に声をかけた。


「お前あの子に何したんだよ?」

「あ?昨日泥棒にカバンを取られたところを俺が取り返したんだよ」

「へぇ〜、お前がねぇ」

「仕方ねぇだろ。俺がいかねぇと柚子が泥棒の前に出ようとしてたんだから」

「何だ。珍しいと思ったら結局山下が関わってるのか」


深夜と翔は話しながら柚子葉達のところに向かった。

柚子葉達のところに行くと真希がすぐに深夜に詰め寄ってきた。


「ちょっと!あの子なんなの?」

「あの子?あぁ、あの女子か。昨日ちょっとな。柚子は分かるんじゃないか?」

「え?」


柚子葉は深夜の言葉に首をかしげた。


「昨日?」

「俺も分からなかったけど昨日街でちょっとあっただろ?」

「あ!あのときの?」

「あぁ。俺もさっき思い出したんだけどな」


深夜と柚子葉だけで話してると真希が入ってきた。


「ちょっと!私達にも分かるように説明しなさいよ」

「街で泥棒にあったところを深夜が助けたの」

「泥棒にカバンを取られたのがあの女子なんだよ。さっきはお礼を言われただけ」


深夜達が話してると学校のチャイムが鳴った。


「あ、昼休みか。飯食いに行こうぜ」


翔の言葉をきっかけに深夜達は食堂に向かって移動を始めた。

食堂に入り5人が固まって座った。

食事を取り終えた深夜が翔に話しかけた。


「俺昼寝してくるから。試合になったら呼びに来てくれ」

「あぁ。って、どこで寝るんだよ」

「屋上か中庭。じゃあ、頼むな」


深夜はそういって食堂を出て行った。

翔は柚子葉のほうを向いて声をかけた。


「山下。深夜のところに行ってくれないか?」

「え?」

「近くに誰かいたほうが呼びやすいだろ?俺は用事あるから山下頼む」

「あ、うん」


柚子葉は翔の言葉を聞いて立ち上がって歩き出した。。

翔は歩き出した柚子葉に声をかけた。


「深夜は多分中庭だろう」

「え?どうして?」

「屋上だと呼びに行くのに時間がかかるだろう?だから中庭のどこかにいると思う」

「分かった。じゃあ、行ってくるね」


柚子葉は食堂を出て中庭に向かった。

中庭に向かっていると前から数人の女子高生が歩いてきた。

柚子葉は特に気にせずに歩いていたが、その中から一人の女子高生が出てきて柚子葉に声をかけた。


「すいません」

「え?私?」


いきなり声をかけられた柚子葉は自分を指差した。

声をかけた女子高生は頷いた。


「はい。山下先輩ですよね?」

「そうだけど…。あ、あなた昨日の?」

「知ってるんですか?街で山上先輩に助けてもらったんです」

「うん。あの現場に私もいたから。それで私に何か用事?」

「はい。山下先輩と山上先輩って付き合ってるんですよね?」

「う、うん。そうだけど」

「それを知ってて言います。私山上先輩のことが好きです」

「え?」

「山下先輩には負けませんから。それだけです」


そういって柚子葉の前から去っていった。

残った柚子葉は呆然とその場に立ち尽くした。

そこに大村が歩いてきた。


「山下先輩?」

「…」

「山下先輩?どうしたんです?」

「え?あ、大村君。ううん、なんでもないよ。私ちょっと行くとこあるから。ごめんね」

「あ、はい」


柚子葉は大村に手を振ってから歩き出した。

その足取りはゆっくりだったが中庭に向かっていた。

あとがきはYAHOO!blogで書いております

興味があればお越しください

URL↓↓

http://blogs.yahoo.co.jp/in_this_sky

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