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STORY17-1 『またお前か!』

ある木曜日。

柚子葉達の学校では翌日にクラスマッチが開かれる。

前日である今日はクラスマッチのための準備が行われるために午前で授業が終わる。

深夜と柚子葉は秀太を迎えに行く前に久しぶりに二人で街へ出てみた。

二人で街に出ることが少ないので深夜と柚子葉はいろんなところを見て回った。

深夜達が歩いていると向かってる方向が急に騒がしくなった。

すると人ごみの中から一人の男が走ってきた。

その後ろから深夜達と同じ高校の制服を着ている女生徒が追いかけている。


「泥棒〜!」


その言葉を聞く限りこの男はひったくりで、女生徒から何かを盗んだようだ。

柚子葉がその男を止めようとして前に出ようとすると深夜がそれを制止して柚子葉に話しかけた。


「下がってろ」


柚子葉が下がると同じくらいにひったくりの男が深夜の近くまで走ってきた。

深夜は男に近づくとパンチを腹に繰り出した。

男は深夜のパンチを食らった後走っていたのもあり、後ろにふっとんだ。

深夜は倒れている男に近づき女生徒のものと思われるカバンを取り戻した。

すると、周りから拍手が起こった。

が、深夜は気にせずに周りに声をかけた。


「誰か警察に電話してください」


その言葉を聞いて周りの中の一人が携帯を取り出した。

それを見て深夜はゆっくりと女生徒に近づきカバンを差し出した。


「これ」

「あ、ありがとうございます」

「いいって。じゃあな」

「あの、名前」

「名前?何で?」

「えっと…」

「悪いけど俺人が待ってるから」


深夜はそういって女生徒から離れていった。

その後姿を女生徒はずっと目で追っていた。

深夜は柚子葉の姿が見当たらないので周りを見渡した。

すると輪になっている人ごみの外に柚子葉の姿を見つけた。

深夜は人ごみをかきわけて遠くにいる柚子葉に近づいた。


「こんなところにいたのか」

「なんか近づきにくくて」

「俺多分これから警察に事情徴集受けないといけなから秀太迎えに行くの一人で行ってくれないか?」

「え?事情徴集?」

「事情徴集というよりも現場検証かな。捕まえたの俺だし多分これで帰っても警察に呼び出されるから」


「またお前か!」


深夜と柚子葉が話してると一人の男の声が聞こえた。

深夜と柚子葉がそちらのほうを向くと一人の警官が立っていた。

警官は深夜の頭を掻いた。


「最近静かになったと思ってたらまた騒動起こしやがって」

「何いってんすか。俺は今回騒動を止めたほうですよ。ひったくりを捕まえたのは俺ですから」

「はいはい、そんな嘘はいいから」

「いやいや、マジだって」

「話は変わるけどこのお嬢ちゃんは誰だ?」


警官は柚子葉のほうに顔を向けて深夜に聞いた。

深夜は柚子葉の肩を抱き警官に答えた。


「俺の彼女」

「はぁ!?お前彼女できたのか?あのお前に?」

「俺をなんだと思ってんすか…。柚子、この人は井上さんって言って俺がお世話になった人なんだ」

「は、はじめまして。山下柚子葉です」

「はじめまして。深夜にはもったいないほどいい子だな。お嬢ちゃん本当にこの男でいいの?」

「え?」

「この男はだな、俺の勤務日に限って絶対に騒動を起こしやがるんだ。で、補導して帰すとだ。その数時間後にまた補導される男だぞ」


柚子葉がその言葉を聞いて深夜のほうを向くと深夜が困ったような顔をして口を開いた。


「昔の話だよ。荒れてたときの。井上さんもそんな昔のこと言わない」

「昔って言っても二年前だろうが」

「誰かさんとは違って俺ら高校生にとって二年前は昔なんですよ」

「テメェ…」


深夜と井上のやりとりを聞いて柚子葉は噴出した。

深夜と井上は二人揃って柚子葉のほうに顔を向けた。


「柚子?」

「あ、ごめん。二人がとても仲がいいから」

「「いや、そんなことないから」」


二人が声を揃えて言うものだから柚子葉はまた噴出した。

深夜はとりあえず咳払いをした後井上に話しかけた。


「とりあえず事情徴集する?」

「そうだな。深夜が残るならお嬢ちゃんは帰ってもいいけどどうする?」

「あ、弟迎えに行きますから」

「じゃあ、柚子。これ家の鍵」

「あ、先に入ってていいの?」

「あぁ。もし遅くなりそうなら電話するから」

「うん。分かった」

「何?お前ら一緒に住んでんの?」


深夜と柚子葉の話を聞いていた井上が話しかけてきた。


「んなわけないでしょ。あ〜、説明すんのめんどいからとりあえず一緒に飯食ってんの。柚子、じゃあ気をつけてな」

「うん。じゃあ先に行くね」

「あぁ。井上さんさっさと終わらせよう」

「はいはい。あ〜あ、俺も彼女と会いたいなぁ」

「…いないくせに」

「あぁ〜!?」


深夜と井上はそんなやりとりをしていきながら人ごみの中に入っていった。

その後姿を見送って柚子葉は保育園に向かって歩き出した。

保育園に行くと忍が柚子葉の姿を見つけて近づいてきた。


「今秀太君連れてくるからちょっと待っててね」

「はい」

「そういえば深夜は?」

「ちょっといろいろあって…」

「いろいろ?」

「はい、いろいろ…」


柚子葉が困ってると他の保育士が秀太を連れて近づいてきた。

秀太が駆け寄ってきたので柚子葉は秀太を抱きしめた。

保育士は忍がいるのでそのまま仕事に戻っていった。

忍は秀太を抱きしめている柚子葉に話しかけた。


「じゃあ、深夜が帰ってくるまでどうするの?」

「あ、鍵は受け取ってるので家で待ってていいそうです」

「じゃあ大丈夫ね」

「はい。じゃあ失礼します」

「また後でね」


忍に挨拶をして柚子葉と秀太は歩き出した。

あとがきはYAHOO!blogで書いております

興味があればお越しください

URL↓↓

http://blogs.yahoo.co.jp/in_this_sky

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