STORY15-5 『何で俺が六人なんだよ』
深夜は柚子葉をそこに立たせ柚子葉を追いかけてきたアメリカ人の目の前に立ちはだかった。
アメリカ人が深夜に殴りかかった。
深夜はそのパンチを交わしてカウンターを繰り出した。
深夜のカウンターを受けたアメリカ人はそこに倒れこんだ。
アメリカ人が倒れたのを確認した深夜はゆっくりと柚子葉に近づいた。
「柚子」
深夜の声を聞いた柚子葉は深夜に抱きつく。
「大丈夫。もう大丈夫だから」
柚子葉はゆっくりと深夜から離れた。
「もう大丈夫か?」
「うん。…あ、慎一さんは?」
柚子葉が慎一のほうに顔を向けると慎一は笑顔でこちらに近づいてきていた。
「よぉ、深夜」
「久しぶり」
「あれ?そんなに驚いてないな?」
「まぁな。でも助かった。柚子を助けてくれたのもそうだし葉月さんがこの場所を教えてくれなかったらどこに行ったらいいか分からなかった」
深夜がそういったと同じぐらいに勇一と葉月の姿が見えた。
「お〜い!こっちだ!」
慎一は勇一と葉月を呼ぶ。
「深夜、間に合ったか?」
「あぁ。ぎりぎりだったけどな。葉月さんありがとう」
「ううん。間に合ってよかったよ」
「葉月さんが公園の外に立っていてくれたおかげだよ」
「勇。遅いんじゃないのか?」
「うるせぇぞ、慎」
そんな話をしていると深夜はふと遠くのほうに何かを見つけた。
慎一と勇一に顔を向け三人で軽く頷いた後、深夜は柚子葉を葉月に渡す。
「葉月さん、悪いけど柚子をお願い」
「え?」
「勇兄も手伝ってくれるんだろ?」
「仕方無いだろ。こういう状況だと…」
「勇!しっかりと働けよ!」
「慎もな。ったく久しぶりにあったかと思うとすぐこれだよ…」
「そういうなよ。親友だろ?今は兄弟だし」
柚子葉と葉月は三人が何を言っているのか分からない。
「深夜?どういうこと?」
「向こうから十人ぐらい来てるだろ?あれは多分こいつらの仲間だ」
深夜が見た方向から確かに十人ぐらいのアメリカ人がこちらに向かってきている。
深夜は柚子葉と葉月のほうに顔を向ける。
「というわけで。俺ら三人であれをやっつけてくるからここで待っててくれ」
「大丈夫なの?」
「あれぐらいなら楽勝だよ。んじゃ行ってくる」
深夜の言葉をきっかけに三人は十人のアメリカ人に歩み寄っていく。
柚子葉が心配そうにしているのを見た葉月は柚子葉に声をかける。
「大丈夫よ。あの三人なら」
「え?」
柚子葉が葉月の言葉に疑問を持って聞きなおそうとすると葉月が声を出した。
「始まった」
柚子葉は深夜達のほうに顔をむける。
深夜達は一人一人確実に倒していく。
すぐに十人を倒した深夜達は笑いながらこちらに戻ってきた。
「何で俺が六人なんだよ」
「お前が一番若いからに決まってるだろ?」
「俺らは二人が精一杯だったんだよ」
「兄貴は最初に五人ぐらい倒してたよな…」
「気のせいだろ」
「あれのどこが気のせいになんだよ…」
そんな話をしながら深夜達は柚子葉と葉月に近づいた。
「な?言っただろ、楽勝だって」
「深夜が強いのは知ってたけど慎一さんと先生も強いとは知らなかった…」
「そりゃあそうだろ。俺達は同じようなことして育ったし」
「同じようなこと?」
「親父の知り合いの子供が誘拐されたことがあったんだ。そのときは無事に戻ってきたけどもしものときのために兄貴は護身術を習うことになったんだ」
「俺は慎に誘われて、というより強引に一緒に習うことになったからなぁ」
「俺は兄貴達がしてるから気がついたらやってた。そのために俺は小学生のころから兄貴達の喧嘩に手伝いで誘われることもたびたび…」
「小学生のころから…」
柚子葉が三人の話を聞いていると葉月は口を開いた。
「ねぇ、悠長に話してるけど三人ともいいの?集合場所に戻らなくて…」
「…まずい」
「…まずいな」
「…まずいですね」
三人は急いで集合場所に戻ることにした。
「じゃあ、俺ら行くわ。兄貴、柚子を助けくれてサンキュ」
「別にいいって。未来の妹になるかもしれんし。な?」
慎一の言葉に深夜と柚子葉は顔を真っ赤にした。
「え?あ、う…」
「兄貴!」
慎一は二人を見て笑っている。
勇一はため息をついて慎一に声をかけた。
「慎、二人で遊ぶなよ。相変わらずだな」
「いいじゃねぇか。久しぶりのスキンシップなんだから」
「はいはい。深夜、山下。慎の相手はしなくていいから戻るぞ。じゃあ、葉月も元気でな」
「うん。植田君もね」
深夜と柚子葉、勇一は慎一と葉月に別れを言って集合場所に向かった。
あとがきはYAHOO!blogで書いております
興味があればお越しください
URL↓↓
http://blogs.yahoo.co.jp/in_this_sky