STORY15-4 『柚子。大丈夫か?』
この話では「(セリフ)」で書かれた記述があります
()の中は英語だと考えてください
深夜を追った勇一は深夜の姿を見つけると声を出した。
「深夜!」
深夜は勇一の声が聞こえるとゆっくりとスピードを落とした。
「勇兄」
「深夜、山下はどうしたんだ?」
「トイレに行ったきり戻ってこないらしい」
「トイレ?」
「あぁ、井上の話だとこっちのほうに行ったらしいんだけど…」
深夜は周りのアメリカ人を捕まえこの近くにトイレがあるかどうかを聞いた。
「(すいません。この近くにトイレってありますか?)」
「(トイレ?あぁ、この先にあることはあるけど…)」
「(この先ですね?ありがとうございます)」
深夜と勇一が顔を見合わせ頷いて走り出そうとするとアメリカ人が引きとめた。
「(あ、行かないほうがいいよ)」
「(どういうことですか?)」
「(今あの辺はこの当たりでも有名なチームのたまり場になってるから。もしかしたら今いる場合もあるから行かないほうがいいよ)」
深夜はその言葉を聞くとすぐに駆け出した。
勇一もその後を追って駆け出そうとしたが、最後にアメリカ人に聞いた。
「(すいませんが、この辺に日本人を見かけませんでした?)」
「(日本人?そういえばすれちがったかも…)」
「(そうですか、ありがとうございました)」
「(いいえ)」
勇一はアメリカ人に顔を下げると深夜の後を追って駆け出した。
柚子葉は自由時間に真希たちとショッピングをしていた。
集合場所の近くに来ると急にトイレに行きたくなった。
柚子葉は真希たちに声をかける。
「ごめん、私トイレに行きたくなっちゃった。ちょっと行ってくるね」
「あ、私たちも行こうか?」
「ううん。さっき近くに公園があったの見たから先に戻ってていいよ。そこにトイレあるだろうし」
柚子葉はそういうとトイレに向かった。
柚子葉が公園に入ろうとするとアメリカ人に手を取られた。
突然のことで驚いているとアメリカ人は柚子葉に向かって喋りだした。
「(この公園には入っちゃ駄目だ!)」
「え?え、ちょっと…」
「(この公園にはチームがたまる場合があるから入っちゃ駄目だ!いいね!)」
それだけ言うとそのアメリカ人は去っていった。
柚子葉は何がなんだか分からない。
「えっと…何言ってたんだろ?あ、トイレトイレ」
柚子葉はとりあえずその公園に入った。
数分探してやっとトイレに着いた。
「やっと着いた…」
柚子葉がトイレに入り用を足して外に出ると公園にさっきまではいなかった五人ぐらいのアメリカ人がたまっていた。
トイレから出た柚子葉を見つけたアメリカ人は柚子葉に近づいてきた。
柚子葉はとっさに駆け出した。
後ろからアメリカ人も追いかけてくる。
柚子葉が走っていると道につまづいて体制を崩した。
こける手前で誰かに助けられた。
柚子葉がその人の顔を見ると見覚えがある顔をしていた。
柚子葉を助けた人は柚子葉の顔を見ると笑顔で話しかけてきた。
「柚子葉ちゃん、久しぶりだね」
「え?」
「あれ?忘れちゃったのか。慎一だよ。深夜の兄貴の」
「え?…あ!?」
「思い出した?」
「はい」
慎一と柚子葉が話してると周りを柚子葉を追いかけてきたアメリカ人が囲った。
柚子葉がどうすればいいのか迷ってると深夜の声が聞こえた気がした。
声が聞こえたほうに柚子葉が顔を向けると慎一が気づいたのか声をかけてきた。
「柚子葉ちゃん?どうしたの?」
「あ、今深夜の声が聞こえた気がして…」
「深夜の?」
慎一は柚子葉が顔を向けている方向に顔を向けるが深夜の姿は無い。
慎一は軽く頷いて柚子葉に声をかけた。
「柚子葉ちゃんまだ走れる?」
「え?」
「その聞こえた方向に走ろう。いいね?」
「…はい」
「いくよ。3…2…1…GO!」
慎一が先に走り出し道を塞いでいるアメリカ人に体当たりをして道を開き、柚子葉はそこを通り抜け走り出す。
慎一は後ろで柚子葉を追いかけようとしているアメリカ人の相手をしてくれている。
もう少しで公園を出れるというところで後ろから慎一の声が聞こえた。
「柚子葉ちゃん!一人そっちに行ったから気をつけて!」
慎一の声に柚子葉が走りながら後ろを振り返るとアメリカ人が一人追いかけてきている。
柚子葉は急ごうとするとまた道につまづいてしまった。
今度はこけると柚子葉が覚悟しているとまた誰かに助けられた。
「柚子。大丈夫か?」
柚子葉はその声を聞いて顔を上げた。
柚子葉を今度助けてくれた相手は深夜だった。
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