STORY14-3 『着信拒否されてるっぽい』
深夜は6時過ぎに家に戻った。
すでに家には勇一と忍が上がっていた。
「ただいま」
「おかえり」
「おかえり。遅かったね」
「ちょっとね。すぐに飯作るから」
「柚子葉ちゃんたちどうするの?」
「あ〜、飯作ってから呼ぶよ」
深夜はそういって台所に立った。
今晩のメニューであるうどんをある程度作り終えた深夜はリビングに置いてある携帯を取った。
「あ、もうできたの?」
「あと10分ぐらい。先に柚子たちを呼べば丁度いいぐらいだろ?」
深夜は携帯に入っている柚子葉の電話番号を押した。数コールした後向こうから着信が切られた。
「あれ?」
「何?どうかしたの?」
「いや、電話が切られた」
「間違えて当たっちゃったんじゃないの?」
「そうかもな。とりあえず掛けなおすか」
深夜がリダイヤルすると着信拒否されていることに気づいた。
「あれ?」
「今度はどうした?」
「着信拒否されてるっぽい」
「はぁ?」
「あんた何したの?」
「しらねぇよ」
「じゃあ、私柚子葉ちゃんの家に行ってくるわ」
「俺が行くよ」
「いいからあんたはここで待ってなさい」
忍は柚子葉の家に向かった。
勇一は携帯を持ったまま立っている深夜に声をかけた。
「深夜、本当に繋がらないのか?」
「もう一回掛けなおしてみる」
深夜は柚子葉の携帯にもう一度電話を掛けてみた。
が、結果は同じだった。
「駄目だ。やっぱり着信拒否されてる」
「お前山下に何かしたんじゃないのか?」
「いや、心当たりはないんだよなぁ。今日家に来るの夕方にしてくれって言ったときは普通だったんだけど」
「まぁ、忍が帰ってくるの待とう」
勇一の言葉に深夜は頷いた。
数分後、忍は一人で戻ってきた。
深夜は忍に声をかける。
「姉貴、柚子は?」
「今日はお母さんの仕事がなくなったから家で食べるって」
「そうか…」
「じゃあ、飯にしようぜ。深夜、もうできてるんだろ?」
「え?あぁ。後10分ぐらいかかるけど。すぐに準備するわ」
深夜は台所に向かった。
勇一は深夜に聞こえないように忍に声をかけた。
「忍。本当はなんだって?」
「詳しくは聞いてないんだけど、何でも柚子葉ちゃんが泣いていたんだって」
「山下が?」
「うん。買い物から帰った後に泣き声が聞こえたって」
「そっか。何が原因が分からないし俺らがどうしようもないよな…」
勇一の言葉に忍は頷いた。
深夜が台所から忍に声をかけた。
「姉貴。悪いけどこれ運んでくれ」
「はいはい」
夕食を三人で食べ、勇一と忍が家に帰った後深夜は再び柚子葉に電話をかけた。
が、やはり通じない。
深夜の頭に不安がよぎる。
今日の俺の言動に柚子を不機嫌にする要素はあっただろうか…
一つだけ思い当たるとすれば家に来るのを夕方にして欲しいと言ったことだけだが、柚子葉は普通に承諾してくれた。
まったくもって原因が分からない深夜だった。
明日は月曜なので学校で柚子葉に会える。
そのときに聞こうと思い深夜は最後に柚子葉にメールを送り眠りについた。
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