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STORY2-2 『ありがとう!親友よ!』

「山下たちここ開いてる?」


翔は柚子葉たちの近くの開いている席に座ってもいいか聞いてきた。

特に断る理由もないので了承すると翔はお礼を言って座った。

柚子葉が翔と話すと食堂中から視線を感じた。

実は翔は学校で一、二を争うほど人気のある生徒だった。

だから、女子達は自分の近くに座って欲しかったのだが他の場所には見向きもせず柚子葉たちのほうに向かっていったので女子達は柚子葉たちに敵意の視線を向けたのだ。

だが、柚子葉が去年から翔と同じ委員だったので三人はその視線に慣れていたから特に気にせず食事を続けた。

翔も一緒に話をしながら食事をしていると人気のある女子生徒が翔に話しかけた。


「ねぇ、前田君。ここ座っても良い?」


翔の隣、柚子葉の目の前の席が開いていたのでその女子生徒は座ってもいいか聞いてきた。

が、翔は満面の笑みを浮かべて断った。


「そこ俺の友達が使うから」


女子生徒は肩を落としながら去っていった。


「前田君ここに誰か来るの?」

「ん?あぁ、もうすぐ来るんじゃないかなっていうか来たな」


翔は手を上げて「こっちだ」とその友達を呼んだ。

柚子葉は翔が友達と言った時点で少しは考えておくべきだった。

その友達は深夜だった。


「お前こんなとこにいたのか。探したぞ」


そういって翔の隣りの席に座ろうとしたがふと視線を感じたのでそちらを見ると柚子葉と真希と圭が深夜を見ていた。


「なぁ、ここ使ってもいいか?」

「え?あ、私は大丈夫」

「井上と田中は?いいか?」

「「え?あ、うん」」


三人が了承したのを確認した後深夜は「サンキュ」といって席に座った。

そして、弁当箱を広げた。


「お、今日も弁当か?」

「当たり前だ」

「まぁな。お前が弁当じゃない日のほうが珍しいな」

「だろ?」


翔と深夜は話をしながら食事をしている。

柚子葉もそんな二人の話を聞きながら食事を続けたがふと両隣の友達を見ると箸が止まっている。

柚子葉は二人に声をかけた。


「あれ?二人とも箸が止まってるよ?」

「「え?あ…」」


二人は柚子葉に声をかけられて初めて箸が止まったことに気づいたようだ。

翔と深夜はそんな二人に気づいていたが気にせずに食事をしている。


「お、玉子焼きいただき♪」

「あ、テメェ…」

「ちょ、深夜。玉子焼き一個ぐらいでそう怒るなって」

「じゃあ、お前の唐揚もらうぞ」

「は!ちょっと待て!玉子焼きと唐揚じゃあ不公平だろ!」

「唐揚の一個ぐらいでがたがた言うなって」

「プッ」


二人のやりとりを見ていた柚子葉はつい笑ってしまった。

その声に深夜と翔は柚子葉のほうを向いた。


「何笑ってるんだ?」

「だって、二人とも子供みたいなんだもん」


その言葉に翔と深夜は顔を見合わせてニヤリと意地悪な笑みを零し柚子葉の弁当箱に箸をのばした。


「じゃあ、俺ウィンナーもらい♪」

「俺は玉子焼き」

「あ〜〜!」


柚子葉はショックのあまり立ち上がった。


「「子供じゃあないんだし弁当のおかずでごちゃごちゃ言うなって」」

「前田君達には言われたくない!」

「ちょっと柚子葉…」


真希が隣で柚子葉の服を引っ張る。

それに気づいた柚子葉は真希のほうを向いた。


「真希、どうしたの?」

「お願いだから周り見てるから止めて」


その言葉に周りを見渡すとみんなが柚子葉達のほうを向いていた。

急に恥ずかしくなった柚子葉は顔を赤くしながら座った。

深夜と翔も笑いを堪えている。それを見た柚子葉はさらに顔を俯かせた。

それから少しの間に背中視線を感じていたが急に視線を感じなくなったので顔を上げると深夜が周りに睨みをきかせていた。


「山上君、ありがとう」

「何が?」

「あの、周りを…」

「別に。ただ、視線がウザかったから」

「深夜はそういう視線苦手だからねぇ〜」

「お前は逆に好きだよな」

「まぁね〜。ところで深夜お願いがあるんだけど…」

「いつものか?」

「頼む!」

「いいぞ。放課後いつもの場所で待ってるから」

「ありがとう!親友よ!」

「ウゼエ」


翔が深夜に抱きついてきたが深夜は頭を叩いて拒絶しそのまま席を立って食堂を去っていった。

翔も深夜の後を追って柚子葉たちに手を振りながら席を立った。

柚子葉は翔に手を振ってふと両隣を見ると真希と圭が目を丸くしていた。


「真希ちゃんたちどうしたの?」

「ちょっと、柚子葉はどうして平然としてるの!?」

「え?何が?」

「だって、山上が笑ってたのよ!」

「そりゃあ山上君だって笑うよ」

「あの山上よ!道を歩けばその辺の不良がひれふすって評判の山上よ!」

「そんなことないって。今だって普通の高校生だったじゃない」

「それが不思議だったんじゃない!」

「そうそう!」

「不思議たって言われても…」

「じゃあ、何であんたはそんなに山上のことを分かってるのよ!」

「え?」

「弁当のおかずをとられるほど仲が良いし、普通の高校生とか山上が笑うのを何回か見てるみたいなこと言ってたけどどうなの!」

「いや、ほら、前田君と話してるのを見てたからそう言っただけだよ。最初は私だってビックリしたけど実際話してみたらそうでもないでしょ?弁当のおかずをとられたのは私が笑ったからだよ」


まさか昨日深夜宅にお邪魔して話してましたとは言えない。

とりあえず友達に嘘をつく罪悪感を感じながら柚子葉は誤魔化した。

あとがきはYAHOO!blogで書いております

興味があればお越しください

URL↓↓

http://blogs.yahoo.co.jp/in_this_sky

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