STORY13-3 『柚子葉。この人誰?』
次の日、柚子葉は真希と圭と学校帰りに買い物をしていた。
今日は恭子の仕事が休みなので秀太を迎えに行かなくてもいい。
久しぶりに真希達と買い物に来たので楽しかった。
いつもは来ない通りで買い物をしたので新しい店も発見できた。
もうそろそろ帰ろうかと三人で話してると柚子葉たちの周りを男達が囲んだ。
「何?君達三人なの?偶然だね、俺たちも三人なんだ。一緒に遊ぼうよ」
「私達もう帰るんで」
「いいじゃない。もう少し。ね?」
そういって男達は柚子葉達の手をとった。
柚子葉達は男達の手を振りほどこうとしたが男達の力にはかなわない。
柚子葉は目を瞑り心の中で深夜の名前を呼んだ。
(深夜助けて。助けてよ、深夜)
強引に連れて行かれようとするが突然男の手が離れた。
柚子葉が目を開け周りを見渡すと三人の男は床に倒れていて自分の目の前に一人の男が立っていた。
「おい。嫌がってんだろうが」
「何だよ、お前!」
「もっと痛い思いしたいのか?」
その男は拳を鳴らした。
柚子葉達を囲んでいた男達は怯えて逃げ出していった。
それを見て柚子葉達を助けた男はゆっくりと振り返った。
「あんたさぁ〜、こんなところをうろちょろすんなよ」
「こんなところ?」
「知らねぇの?この辺はナンパ男が多いんだよ。あんたみたいな奴がいたら絶好のカモだって」
「そんなの知らないよ」
「じゃあ、今度からは気をつけな」
「ありがとう、衛君」
柚子葉達を助けたのは衛だった。
衛は遠くで囲まれている柚子葉をたまたま見つけた。
近くに深夜がいるだろうと思ってゆっくりと近づいていくが一向に深夜が現れる気配がなかった。
衛は急いで柚子葉達に近づき男達を殴ったのだ。
「それよりも今日は深夜はいないのか?」
「うん」
「そうか」
「ちょっと」
柚子葉と衛が話してると真希と圭が柚子葉に話しかけた。
「柚子葉。この人誰?」
「あ、深夜の友達で衛君。衛君、私の友達の真希と圭」
「どうも」
「「さっきはありがとうございました」」
「別に。だってこの人を助けないと俺が後で深夜にボコボコにされる」
「そんなことされないでしょ」
「い〜や、絶対にする」
「しないって。それと、衛君。またあんたって呼んでる」
「あぁ、悪い。もうくせになってるから気にすんなって。それよりも俺はもう帰るけどあんたたちはどうすんの?もし帰るなら近くの駅まで送ってやるぞ」
柚子葉は真希と圭の顔を見た。
真希達は柚子葉に向かって頷いた。
柚子葉は衛のほうを向いた。
「じゃあ、お願いできる?」
「あぁ」
衛は柚子葉の言葉を聞いて歩き出した。
柚子葉達も衛について歩き出した。
途中の駅で真希と圭と別れ、衛と柚子葉は二人で歩いていた。
二人で歩いていると委員会で遅くなった翔と出会った。
「あれ?衛と山下じゃん。何してんの?」
「町で会ったから送ってもらってるの」
三人揃って歩き出した。
柚子葉は翔に話しかけた。
「翔君は今日委員会だったんでしょ?」
「そうだよ」
「翔。ちゃんとこいつを見てないと深夜に殴られるぞ」
「へ?何かあったのか?」
「こいつナンパされてたんだよ。俺が助けなかったらやばかったぞ」
「マジ?」
「マジ」
「山下。頼むから俺が深夜に殴られない程度に行動してくれ」
「わ、分かった。今度から気をつける」
翔の顔に『本当に頼む』ということが読み取れたので柚子葉は頷いた。
柚子葉のマンションに着くと二人に別れを告げ自分の部屋に戻った。
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