STORY5-4 『あぁ、一緒に遊ぼうな』
自分の部屋に戻ると深夜はおにぎりを作り始めた。
忍と勇一の分も含めると7人分を一人で作るのは一苦労だった。
が、なんとか作り終え運ぶために翔を電話で呼び出す。
半分を翔に持たせ深夜は忍と勇一の分のおにぎりを除けた残りを持って柚子葉の家に向かった。
深夜と翔が柚子葉の家に戻って少したつと秀太が「おなかすいた」と言いだしたので夕食にすることにした。
「とりあえず中身は梅、昆布、鮭があるから」
「これ全部山上が作ったの…?」
「俺一人で作ったに決まってるだろ。じゃあ、皆先に食べててくれ」
「え?深夜どうしたんだ?」
「ちょっと山下の様子見てくる」
「あ、私が見てくるよ」
「自分の目で見たいから」
翔たちがおにぎりを食べている横を深夜が通って柚子葉の部屋に向かう。
深夜が部屋に入っても柚子葉はぐっすり眠っている。
深夜は寝ている柚子葉に近づき、額に手をあて熱を測る。
薬が効いてるのか先ほどよりも熱が下がったようだ。
とりあえず近くに置いてあるタオルで柚子葉の顔を拭いてやると柚子葉が目を覚ました。
「あ、悪い。起こしたか?」
「ううん、大丈夫。今何時?」
「6時ちょい過ぎ。まだダルイか?」
「大分楽になったかな」
「そっか。あ、夕食食べれそうか?またおかゆ作ってもいいし」
「うん、食べれそう。でも、さっきの残りでいいよ」
「そういや残ってたな。分かった。温めなおして持ってくるから少し待ってろ」
そういって深夜は柚子葉の部屋を出る。
深夜が台所に向かっていると真希が深夜に声をかける。
「柚子葉どうだった?」
「あぁ、大分よくなってる。とりあえずさっきの残りのおかゆを食べさせてまた薬飲ませないと」
「温めるぐらいなら私できるから山上もおにぎり食べなよ」
「あ、じゃあ悪いけど頼んでいいか?」
「うん。任せといて」
真希におかゆを頼み深夜は自分が作ったおにぎりを食べ始めた。
秀太は深夜のひざの上に座って嬉しそうに深夜を見上げてくる。
深夜も秀太の頭を撫でながらおにぎりを食べ続ける。
温めなおしたおかゆをもって真希が柚子葉の部屋に入っていく。
それを見て圭も真希を手伝いに柚子葉の部屋に入っていく。
深夜が4個おにぎりを食べ終わったと同じぐらいに真希と圭も柚子葉の部屋から出てきた。
おかゆが入っていた鍋は空になっていた。
「全部食べたのか?」
「全部って言っても半分しかなかったじゃない。でも、残り全部食べてたよ」
「食欲は戻ったみたいだな。山下は?また寝たのか?」
「一応横になってるみたいだけど、寝すぎて眠れないみたい」
「そりゃあ今日ほとんど寝てたんだから仕方ないか」
深夜が立ち上がると秀太と一緒にTVを見ていた翔が話しかけてきた。
「あれ?今度はどうした?」
深夜はおにぎりが入っていた入れ物を指差した。
「これ上に置いてくる。それと風呂も上で用意して秀太を入れないと」
「はいよ〜。何かあったら携帯に電話すっから」
「頼む」
深夜は入れ物を持って自分の部屋に戻った。
先に風呂の掃除をして風呂の水を入れながら入れ物を洗い始めた。
入れ物を洗い終え風呂の水が溜まったのを確認した後、柚子葉の家に向かった。
それから少しして深夜は秀太に声をかける。
「秀太、お兄ちゃんと一緒に風呂入ろうか?」
「え!うん、いっしょにはいりたい!」
「よし、じゃあ行こうか。翔、また頼む」
「はいはい。行ってらっしゃい」
「後、お前人の家でくつろぎすぎ」
「え〜、そうか?」
「まぁ、いいや」
深夜は秀太に着替えを持たせ自分の部屋に戻る。
自分の着替えを準備して秀太と一緒に風呂に入った。
「ね、おにいちゃん」
「ん?どうした」
「おねえちゃんなおる?」
「あぁ、治るよ」
「ホント?」
「あぁ」
「なおったらおねえちゃんといっしょにまたあそべる?」
「遊べるさ」
「そのときはおにいちゃんもいっしょにあそぼ?」
「あぁ、一緒に遊ぼうな」
「うん!」
「さ、30まで数えたら上がるぞ」
「うん。い〜ち、に〜、さ〜ん、し〜」
秀太が大きい声で数字を数えるのを深夜は笑みを零しながら見つめる。
時々間違える秀太に教えながら…
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