STORY5-3 『悪いけど台所借りるぞ』
6人は深夜たちが住んでるマンションに着いた。
とりあえず深夜も着替える前に山下の家に秀太を連れて行くことにした。
朝に恭子から預かった合鍵でドアを開ける。
「じゃあ、とりあえず井上と田中は山下の様子を見てきてくれ。俺と翔は秀太を着替えさせるから」
「「分かった」」
真希と圭はどこが柚子葉の寝室か分からないようで手当たりしだいドアを開けていく。
が、どうにか見つかったようで部屋の中に入っていく。
それを見届けて深夜と翔は秀太に服が置いてある場所等を聞きながら秀太を着替えさせていると真希と圭が深夜を呼んだ。
「山上ちょっと来て」
「何だ?」
深夜が部屋を覗くと真希と圭がどうしたらいいのか分からずに困惑している様子がよく分かった。
「どうしたらいいの?」
「どうしたらって…」
深夜は柚子葉に近づく。
寝息が聞こえる。よく眠ってるようだ。
机の上を見るとコップに入ってる水と薬が見えた。
水があまり減っていないようなので薬は飲んでいないようだ。
顔を見ると汗がよく出ているのが分かった。
「とりあえず井上は何か着替えになるようなものを探してくれ。田中は洗面所からタオルを濡らして持って来い。持ってきたタオルで山下の体を拭いてやってくれ。拭き終わったら着替えさせろ。途中で起きたら俺を呼べ。分かったな?」
深夜の問いかけに真希と圭は頷いた。
それを見て深夜は翔と秀太のところに戻った。
翔は着替え終わった秀太と一緒に遊んでいた。
深夜も秀太と遊んでいると真希に呼ばれた。
柚子葉が起きたようだ。
深夜が柚子葉の部屋に入ると着替え終わった柚子葉が横になったまま顔を深夜のほうに向けた。
「山下、薬飲んだか?」
「ううん。起き上がるのもダルくて…」
「じゃあ、何も食べていないのか?」
「うん」
「おかゆは食べれそうか?」
「少しなら…」
「悪いけど台所借りるぞ。今からおかゆ作るからそれまで横になってろ」
深夜は台所に向かう。
その後ろを真希が着いてくる。圭は柚子葉の傍にいるようだ。
「ね、ねぇ。山上。誰がおかゆ作るの?」
「俺」
「え、あんた作れるの?」
「おかゆぐらい作れる」
深夜は台所に着くと材料と道具を探した。
丁度いい鍋を見つけた。
そして、冷蔵庫に玉子が入ってたので玉子粥を作り始めた。
その見事な料理の腕前に真希は呆然としている。
真希を横目に深夜はどんどんと料理の手を進める。
そして出来上がった玉子粥を柚子葉のところに持っていく。
「山下、起き上がれるか?」
「う、うん」
「井上、田中。一人は食べさしてもう一人は山下を支えてやってくれ。俺は出とくから。食べ終わったら机の上の薬を飲ませろ」
深夜は玉子粥を台所から着いてきた真希に手渡し部屋を出た。
そして、秀太と遊んでる翔に声をかける。
「悪いけど俺着替えてくるから。何かあったら電話してくれ」
「あいよ」
翔が答えたのを確認した後、深夜は自分の家に戻り着替えてまた柚子葉の家に向かった。
深夜も柚子葉に家に入り、翔と一緒に秀太と遊んでいると真希と圭が柚子葉の部屋から出てきた。
「山下は?」
「薬飲んだ後また寝ちゃった」
「おかゆは?どんぐらい食べた?」
「半分ぐらい残ってる」
「まぁ、そのぐらい食べれたらいいか」
真希と圭も深夜や翔の近くに座った。
秀太は翔と遊んでいる。
深夜も秀太と少し遊んだ後、立ち上がった。
「山上、どこ行くの?」
「自分の部屋」
「どうして?」
「お前ら晩飯食うだろ?俺の家でおにぎりとか作ってくる」
「あ、俺手伝おうか?」
「翔は秀太と一緒に遊んでてくれ。秀太も楽しそうだし。井上たちは山下の様子を定期的に見てくれ。何かあったら俺の携帯に電話くれ」
「分かった」
そういって深夜は柚子葉の家を出て自分の家に戻った。
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