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STORY3-3 『弟思いだね』

三人が深夜の家のドアを開けると忍と勇一の靴が置いてあった。

どうやらすでにこちらの家にいるようだ。


「ただいま」

「おじゃまします」


リビングに入ると忍と勇一は映画を見ていた。

どうやらレンタルしてきたようだ。


「おかえり。柚子葉ちゃんいらっしゃい」

「いらっしゃい」

「おじゃまします」

「どうぞどうぞ。といってもここは私の家じゃないんだけどね」

「そうそう。ここは俺の家だから。家賃は両親持ちだし」


忍は映画を止めて二人が座れるようにスペースを作った。

深夜と柚子葉は忍達が座っているソファーに腰を下ろした。

秀太はTVの前に陣取って子供用の番組を見ている。

勇一が最初に口を開いた。


「どうして深夜と山下は一緒なんだ?」

「デパートで一緒になったんです」

「それでそのまま行動して、今日山下のお袋さんがいないっていうんで俺が呼んだ」

「へぇ〜。柚子葉ちゃんはデパートに何しに行ったの?」

「秀太がヒーローショーを見たいって言うから連れて行ったんです」

「弟思いだね」

「そういう忍だって深夜を連れて行ったことあるだろ?」

「あぁ、そういえば何回か連れて行った気がする」

「じゃあ、山上君も小さい頃はヒーロー戦隊物に興味あったんだ」

「あれは男の子だったら皆好きになるだろ」

「そんなもんなの?」

「そんなもん。じゃあ俺晩飯の仕度始めるわ」

「あ、私も手伝うよ」

「大丈夫だから姉貴たちとゆっくり話しててくれ」

「そうそう。料理は深夜に任せて話しましょう」

「じゃあ、お言葉に甘えて」


それから深夜は料理の仕度を始め、柚子葉は忍たちと世間話を始めた。

柚子葉は世間話が途切れたときに気になることを聞いてみた。


「あの、山上君の小さい頃ってどんな子だったんですか?」

「え?どうして?」

「いえ、今日山上君が秀太を肩車してくれたんですけどそのときに言ったんです。お父さんにあまり構ってもらえなかったって。デパートに行ったときだけ植田先生に肩車をしてもらえたけど、そのときは嬉しかったって。だからどんな子だったのかなと思って」

「う〜ん、そういえば深夜は今もそうだけどあまりわがままは言わないよね?」

「確かに。俺達も学校とかで忙しかったときも寂しいとか言わなかった気がする」

「強かったんですね」

「いや、どっちかというと遠慮してたんじゃないかな」

「遠慮ですか?」

「そ。俺達にあまり面倒かけさせたくなかったんだろ。あいつは小さい頃からそうだから」

「はいそこ。当人がいないときにあまり人の過去を探らない」

「ひゃ!?」


いつのまに近くに来ていたのか深夜が柚子葉の後ろに立って声をかけてきた。

柚子葉は驚いて少し後ずさった。


「い、いつのまに後ろに…」

「え?俺のことを聞き出そうとしたとき」

「そんなところから…」

「飯できたぞ」

「じゃあ、食べようか」


テーブルには深夜が作った夕食が並べられていた。

5人は食事をしながらさっきの話を続けた。


「あの〜、山上君のお父さんは忙しいって言ってたんですけど何の仕事をしてるんですか?」

「え?え〜と…」


柚子葉に問いかけられた忍は勇一と深夜に目配せをした。

勇一も忍の目線を受け深夜に目線をやった。

二人の目線を受けた深夜は頷いて口を開いた。


「親父は社長やってるんだ」

「え、社長!?」

「そ、社長。山上グループって知ってるだろ?」

「え?うん」


山上グループというのは日本を代表する大企業の名前だ。


「そこの本社の社長が親父」

「嘘でしょ?」

「嘘ついてどうすんだよ」

「え、本当に?」

「本当」


まだ信じれないのか柚子葉は忍と勇一に目を向ける。

柚子葉と目が合った二人は頷いた。

どうやら本当らしい。

まさか、自分の知り合いに社長家族がいるとは思ってもみなかった…


「だから、いろいろと構ってもらえなかったんだ。丁度会社が大事な時期だったし」

「それで俺と忍で深夜の面倒を見ることにしたんだ」

「そうそう」

「はぁ〜、まだ信じれないけど分かった」

「ところで山下の親父さんは何やってるんだ?」

「お父さんは死んじゃった」

「あ、悪い」

「ううん、気にしないで。秀太がお母さんのお腹の中にいるときに事故で死んじゃったの。だから秀太はお父さんの顔も知らないんだ」

「そっか」


少しの間気まずい空気が流れた。

それを破ったのは秀太だった。


「ねぇ〜、しんやおにいちゃん」

「どうした?」

「えっとね、きょうかたぐるましてくれてありがとう!」

「どうしたしまして」

「はじめてしてもらったけどたのしかった!」

「そっか。今度またデパートとか行くときにしてやるよ」

「ホント!?やった〜!」


秀太は嬉しそうにはねている。

それを見て4人は笑みを零した。

それから話の場をリビングに移した。

あとがきはYAHOO!blogで書いております

興味があればお越しください

URL↓↓

http://blogs.yahoo.co.jp/in_this_sky

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