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新木くんのねんきんせいかつ  作者: 王石 勉
第1章:新木くんのねんきんせいかつ(楽園の高原)
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2.たいどう

おお、今日も太陽が眩しいぜ。


昨晩?はおたのしみでしたね。

と言うか意外と長く(日が落ちるまで)活動できたが。

日が落ちたら、一次吸収する空気のせん熱が低下したので熱圧縮効率が低下してスリープダウンしてしまいました。

何を言っているか解らなねーと思うが。

俺も何であんな事していたのか、よく解らなかった。


コレは困った、

大気から熱を吸収するのは良いアイデアだが、こんな山の上の高度が高くて空気が薄い場所では圧縮しても安定した熱量が常時確保できない。

しかし山を降りて、低い空気が濃い場所でも果たして同程度の圧縮率が保てるだろうか?

もっと身体の体積が大きければ昼間の蓄熱量で夜間活動時間が長くなるんだが。


やはり何処かでウランでも探すか。


とりあえず、手ごろな大きさの石を身体の中に採りこんで体積を増やし、昼間の活動時間に加熱して夜に備えるか。

俺、石を蓄熱器に使って体温を維持するんだ~♪

しかし、体温高いと身体が良く動くな。

ヒッヒッフー、ヒッヒッフー、よ~し日が傾いてきたぞ~、ヒッヒッフー、ヒッヒッフー

夕日だ!日が落ちて外気温が下がるが。頑張る!!負けないモン!!ヒッヒッフー、ヒッヒッフー


おお、ここにきて、初めて夜空を見た!!満点の星空だ、月は出ていない。北斗七星もオリオン座も無い。

空全体が天の川の様だ。いったいココは何処なんだ?と興奮しながら。俺はいつの間にか意識を手放した。



やあ、みんな、今日も午後から男の新木です。

いやー昨日?の晩は凄かったよ~。

あの夜空の星を、みんなに見せてやりたかったよ。

そして言ってやるんだ。


ごらん、あの夜空に瞬く恒星を、あれ一つ一つが核融合起こして光っているんだぜ、放射線?そんなものはコノ厚い大気の底には届かないよ。

偶に超新星で発生するニュートリノは僕らをすり抜け、大地の反対側に行ってしまうよ。

だいいち我々の地球は内部の核分裂と太陽の核融合の熱量によって生命が保たれているんだ。

我々人類はまるで地球と言う名の原子炉の外壁に張り付く地衣類の様ではないか?


まあ、俺はもう既に地衣類以外の何者でも無いがな!!


さて昨日?の夜空を思い出して、真っ先にしたのが。

この俺の居る山をゴラン高原と銘々したのだ、ゴラン高原、どっかで聞いたけどなんだっけ?


あと、蓄熱器として取込んだ石が粉々の砂に変わっていた。

なんで?ひょっとして俺は身体の構成物を岩石から取込んでいるのだろうか?

身体か活性化してスリープ状態でも。岩石を消化吸収しているとか。

それとも寝相が悪くて粉々にしたのか?

岩に張り付くしか脳も無い俺にそんなアグレッシブな寝相は不可能だろう。


仮説だがやはり俺は地衣類らしく岩を削って成長しているのではないか?

岩を取込んで接触面が多くなった状態で、なおかつ活性化時間が長くなれば、成長が早くなるのでは?

身体が大きくなれば圧縮量も蓄熱量も増える。岩を取込んで体積をあげれば活動時間も長くなる。

まさに一石山頂、文字どうりの効率坊である。


仮説ではあるが体温の上がってテンションの高くなった俺は早速、石を取込みはじめる。

まて、取込むのに効率の良い大きさの石があるのでは?

接触面が大きい細長い石で圧縮呼吸を妨げない大きさの石だ、いくつか見繕う。

このゴラン高原は石ばかりだから、より取り見取りだぜ~♪

体温高いと足も速いぜ~足は無いけど。あんなものは飾りだ~。偉いヒトには解らんのです。

無くても俺の生存には無関係だ。


ラマーズ呼吸法|(と言う名の空気圧縮)を行いながら。夜を待つ、空は徐々に雲が増え始め、雲に隠れる夕焼けを眺め。

今晩は雨が降るだろう。そしてソレは俺から熱を奪いクールダウンを起こすであろうと、予測する。

夕闇に雨がパラつき始め思考にモヤのかかり始めた

おや?俺って動いてね?

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