A面-1.遭遇。
(´・ω・`)祝!令和記念!!
「おいおい!やべえよやべえよ何だよこの魔物!!」
小心者で有名な斥候役が叫ぶ。
名前はラケルタ、壮年に近い汎人の男で上級ではないが腕は良い、但し臆病で逃げを優先すると言う触れ込みだ。
「なんじゃい、この化け物は?」
長命の小人族のゲズウも知らない魔物だ。
「え?見た事無い…。辞典に無い」
森の妖精族の魔法使い、エカトだ南の森の出身で魔法の学校に通って博識だ。
未知の魔物なのか?
「危険な魔物か!?」
「いや…。オーガが一撃じゃい。危険じゃが敵意は無いのでは?」
「おいおい、爺さん居加減なコト言うなよ!どう考えたってバケモノだぜ!」
謎の水銀の様な人型はその場で謎の踊りをしている。
体は太くて…。俺より背が低いが…。重そうだ。
「いや…。知能の高い魔物じゃい、敵意が無いのなら使役できるのじゃろ?エカト。」
「え?いや、使役の魔法は…。使えるけど。」
魔力の温存を考えると心配らしい。
一応雇い主の俺を見る耳の尖った妖精族の女。
付き合いは長いが歳は聞いていない。
たぶん俺の母より年上だ。
聞いた事は無い。
今回のチームは臨時編成だ。
彼女を除くと顔見知り程度の冒険者達でチームを組んだ。
噂ではそんなに悪い者は居ない。
だがあくまで噂だ。
この森に入って20日だが問題は起きていない。
「できるか?」
「はい。やります…。」
木の杖で何か魔法的な儀式を行うドルイダス…。
「何もおきんぞい?」
「え?そんな筈は。失敗?」
銀色の人型は腰に手を当てた状態で仁王立ちだ。
アレが手ならの話だが。
頭部も頭と言って良いのか解らない。
まるでデーツの実の様な形の頭部は銀色の壷のを被った様な…。
凹凸は全く無い、目も鼻も口も無い。
どちらが前か解らない。
「おい、どうすんだよ。」
「ふむ…。おかしいぞい。使役の魔法は術者の知能が高いほど効果が有ると聞いた…。」
「なんだよ!コイツ!エカトより頭が良いのかよ!!」
「え?そんなこと無い!わたし学校で学んだから!」
「うーむ、そうなると困ったぞい。」
「あ、ごめん、何か言ってる。」
「なんだと?」
「おい、止めようぜコイツ俺の婆さんが話してた吸血生物だぞ…。夜の間に牛の肝を全部喰らう…。姿が見えない。絶対そうだ。」
「エカトなんて言っている。」
「えーっと。”わたしはあなたとお友達。”」
「は?」
「嘘だぜ。」
「なんじゃいそりゃ。」
「うーん、あなたとわたしはお友達?たぶん、家畜と会話する魔法が使える見たい…。」
「敵意は無いのか?」
「そう見たい。だけど…。何か話しが有るみたい。」
「家畜と会話ってなんだよ!」
「ラケルタ、簡単な喜怒哀楽を尋ねる魔法よ…。言葉の解らない人とも簡単な意思疎通できるの…。相手が人並みの知能なら。」
「こいつ…人並みの頭なのか?」
「多分…。」
「やべえぞ!コイツやっぱりエカトより頭が良いんだぜ!」
「ち、ちがう。わ、私!学校でも成績優秀だったんだから!!」
「何処からきたんじゃ?何者なんじゃ。」
「え?そうね…。湖の向こう山の上だって。」
腰に手を充てたまま片腕で北を指す人型。
本当に通じているのだ。
「ココは湖どころか泉も無いぞい?」
その通りだ、前回のキャンプ地から北側で水場は発見されていない。
「それ所じゃ無いぜ!この森は尽きる事の無い未踏の平野だ遥か北には竜の住まう山脈しかない。俺の婆さんが話してた。」
「幻の大湖の事じゃないのか?」
「霧の大湖…。そりゃ御伽噺じゃぞい、山々が霧で霞むのは湖か沼が在るからだと言う猟師の伝説じゃい。」
形を変える人型。
腕は俺達を指している。
「えっ…。」
「どうした。エカト」
「おい、怒らせたのか?逃げようぜ!」
「いえ…。私達は何処から来たのか…。だと思うたぶん。」
「おいおいおい、止めろ。教えるなよ。コイツは人の血を吸う魔物だぜ。俺達を生かしているのは絶対、人の多い村を…。」
「わかったわかった。ラケルタ。だが、聞いたのだから答えなければ成らない。エカト大まかに答えてやれ。」
「はい…。ええ。」
杖を握る妖精族の女。
「リーダー…。連れて行ってくれ。だって。」
「ほらほらほら!そうだ!!やっぱり!!コイツ俺達を食べるんだ!リーダー!ヤバイよ逃げようぜ!!」
「おちつけ…。ラケルタ未だわからんぞい。」
「何の為だ?」
「え?聞くの?」
「そうだ。聞けよエカト俺達を喰う気だぜ!絶対に騙されるなよ!!」
「えー…。」
謎の踊りを始める人型。
さっきより激しい踊りだ。
「どうしたエカト」
「ごめん、わかんない。文字がどうとか…。車輪がどうなって居るのか…。そんな話みたい。」
「なんじゃそりゃ。」
踊り続ける人型。
「うーん、概念が…。え?進む…。種?」
「くっそ!やべえぜ!!コイツやっぱりエカトより賢いんだ!俺達は一人づつ喰われちぃまうんだ!!もう生きて帰れねぇ!!」
「ラケルタ!あ、あたし。賢者に近いんだから!!」
「でも試験落ちたんだろ!!」
「そ、そうだけど!魔物より頭は良いの!!」
『ぐが…。』
「おい!オーガが復活したぞい!!」
横たわったオーガが上半身を起こし。
頭を抑えて首を振っている。
未だ完全に復活していない。
「戦闘開始だ!エカト!ラケルタ」
「お!やべえ!逃げようぜ!!」
「あたし賢者だから!!」
”あなたと私はお友達。”たぶんその踊りをオーガに向かって始める銀色の人型。
『ごっ。うがああああああぁ!!』
棍棒を杖に立ち上がった。
同じ踊りを繰り返す銀色の人型に棍棒が振り下ろされる。
鈍い音がして棍棒が木っ端微塵になった。
「なんちゅう堅さじゃい。」
「やったぜ!魔物はオーガが倒した逃げようぜ。リーダー…あ。」
銀色は人型を保って居ない。
変形した頭部が伸びてオーガの両手、両足、首の順番で切り裂いた。
鞭の様な撓りで一撃だ。
「え…。うそ…。」
一呼吸置いてオーガの切り刻んだ肉が大地崩れる。
完全に切断され血の海だ。
「「「…。」」逃げようぜ、リーダー。」
「今回ばかりはラケルタに賛成じゃな。」
返り血を浴びた人型は単調な踊りを始めた。
一番初めのヤツだ。
「あ?えーっと。わたしとあなたはお友達?だって。」
チーム全員で魔物と同じ踊りを選択した。
(´・ω・`)うむ!休みだが神社で幟を立ててる。




