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新木くんのねんきんせいかつ  作者: 王石 勉
第1章:新木くんのねんきんせいかつ(楽園の高原)
11/27

10.とらぶる

グロ注意。下ネタ注意

ゴラン高原の黒い稲妻、新木です。(カサカサカサカサ)


あれから毎日の日課で走りこみ、コーナリングテクニックを磨いています。

日に日に上達しており。エネルギー効率の最適化もあいまって以前の高速移動では考えられなかった移動距離とMAXスピードをたたき出しています。

甲羅の小修正も進んでます。やはり甲羅(マシン)が変わると全然ちがいます。



早朝の走りこみ練習が終わると、朝の食事の時間です。

朝日を浴びながら、残り少なくなった残骸を齧り始めると、大きな影が横切ります。

おお、トカゲさん今日もご出勤です。

1トカゲ(りき)で働くお母さんは食べ盛りのお子さんたちを養うため今日もご出勤です。

お昼の一時帰宅、三時の休憩、夕飯の支度と。働くお母さんステキDEATH。


ゆうげの家族団らんの時刻にはトカゲさんハウスからは和気藹々の食事風景。

毎回違うメニューを考えるお母さんには頭がさがります。一昨日は豚のような生物、昨日は毛むくじゃらの人型でした。

”ギシャー!ギシャー!”とか”キー!キー!”とかの微笑ましい叫び声が段々と小さくなっていきます。

紅い夕焼け空に映える赤黒く飛び散る液体は夕日のせいだと思いたい。(ああ、離乳食おわったんだ。)



あさの食事が終わると、昼までまた走りこみです。

ああ、そろそろ砲撃しないと腕がなまるな。

最近は子トカゲたちが物心ついたのか、トカゲさんハウスの塀の内から外を窺ってます。


今日はお母さん、早めのお昼をぶら下げて。一時帰宅です。

お母さん奮発したのか、牛のような大きな生物(なまもの)で新鮮です、ココまで叫び声が聞こえるようです。

お母さんが家に戻ると子供たちは、大はしゃぎ。

もう、奪うように仲良く食事をはじめます。


あ、首がとんだ。そういえば、最近ホルモンもビフテキもたべてないなあ。

まあ、今となっては岩だけで十分だが。


こちらが昼食を始めると。お母さんが仕事に戻っていきます。返り血を滴らせながら。


俺は今では、ゆっくり昼食を取る派なんだよ。人間の時は早飯喰い派だったんだw。


さて、太陽が頂点に来ると子トカゲたちは昼寝、俺は午後の走りこみ練習を始めます。

準備運動(アイドリング)が終わり。

各、気蓄室の状態が最適圧力になるとスタートです。


さーて、今日は烏帽子岩の最適コーナーパターンを完成させるぞ~♪

温度、湿度、圧縮圧、地面の状態、総てにおいて最適な状態です。

今日こそコースレコードを更新できるベストな状態が自信を持ってそろってます。


呼吸(あっしゅく)を整え、ヨーイ。


ッガッフ!!!!!!

体が衝撃を受け混乱する、

何が起きた!!圧縮機停止か!気蓄室破裂か?可変ベクターノズル脱落か!?

トラブル箇所をチェックシートによって確認するが、オール正常(グリーン)

外装甲断裂か?外的要因か!?と触手を振り回すと。



背中の甲羅2号改3型Fの上にさくら色からすっかり育った赤色の子トカゲが乗っていた。


こら!!やめなさい!おりなさい!

体を揺するが、甲羅の上の赤い子トカゲは、まるで遊園地でジェットコースター(子供用)に乗る女児の様な爛々とした目をしている。


コイツ!絶対降りない!!

仕方が無いので小加速で蛇行運転しながら振り落とそうとするが以外に爪の力が強く、まったく振り落ちない。


退いて!!お嬢ちゃん!!ソイツ落とせない!


余りやりたくないが、その場スピンで目を回させ、振り落とす。


ハアハアハア、この畜生共!!ついに牙を剥きやがったか!! 卵の時、(ネズミから)助けてやった恩も忘れやがって!!


非常用圧力の残量を考えつつ、常用圧力の回復時間を計算していると。


振り落とした赤い子と、その残りのミドリ (元、抹茶)、シロ、キイロの子トカゲが目を爛々と輝かせて俺を見ている。

まるで、叔父さんから珍しい玩具を貰った子供のようだ。(ただし玩具は俺)


なぜか俺は動画投稿サイトにあった、掃除ロボットに乗る猫の動画を思い出した。

そういえばコイツ等の目は獲物を狙うヌコ様ではないか?


じりじりと包囲の輪を縮める子トカゲ達の圧迫に、脱出タイミングを計るが、その前に堰を切って襲い掛かってきた。


やめろ~!!子トカゲ!ぶっとばすぞ~!!


もみくちゃにされながら、相手の隙を付き。地面に向ってカウンターマスを放出!!

砂埃の目くらましを行い、距離を置く。


オラー!!俺はトカゲ用ドダイ(モビルスーツ)じゃねえぞ~!!


叫ぶが全く通じなかった。

これだから若いヤツ等は!(トカゲ語が解る様になったのはもっとずっと後になってからでした)


子トカゲ共は次の突撃チャージのタイミングを計っている。

このままでは、母トカゲが乱入してTHE ENDだ!!


どうする!俺!!ライフカードはもう少ない。


ココを切り抜けるのは人間の知識だ!こいつ等は生まれたばかりの残酷なケダモノの子供だ!


閃いた俺は最後のあつりょくを振り絞って。選択した!


俺の身体を見ろ!!!


空気駆動部(エアアクチュエータ)を動作させ、身体を起すと直立した腹を子トカゲ共に見せた。


案の定、子トカゲ共は理解の範疇を超えた情報に混乱して思考を停止している。


どーだ!!おじさんの身体!すごいだろ!!!!!

日本の公園でやったらおまわりさんコイツです!

で、カツ丼&個室だが。ココはゴラン高原、おまわりさんは居ない。


子トカゲたちは俺の腹に視線を固定して目を離せない!!


両手を広げて体を”大”の字にさらす体制で一歩前に踏み出すと。

子トカゲ達はおびえて一歩引いた。

この瞬間俺は勝利を確信してテンションが上がった。


ほーら!!おじさんの凄いだろ!!触ってゴラン高原!!


恐怖に曝される子トカゲたち。


一番後ろのシロい子が逃げ出すと堰をきったように皆、トカゲさんハウスの塀に中に閉じこもった。


おれはこのゴラン高原で最大の危機を脱したのだ。

新しい建物の警察署では、取調室は白い壁紙と青っぽい絨毯で、窓は磨りガラス&鉄格子で、ドア窓には鉄格子付きマジックミラー(室外にカーテン付き)


刑事さんはドア側に座り、窓側に座らさせられます。結構部屋は明るいですがZライト等は在りません。(取調べ補佐官は立ってました)


机は固定されてますが。椅子は固定してありません。


LEDライトの照明で白を基調とした結構明るい雰囲気の職場です。(生活安全課の取調室しか入ったこと無いので他のは知りません。)


なお、次も下ネタ。

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