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新木くんのねんきんせいかつ  作者: 王石 勉
第1章:新木くんのねんきんせいかつ(楽園の高原)
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9.ふつたち

ゴラン高原、下り最速の地衣類、新木です。

下りではどんな地衣類にも負けません。

なんで下りかって?いやほら、登りは疲れるじゃん。


しかし、今日は朝からトカゲさんマイホームが騒がしい。


なんだよ、”御器被り(ゴキカブリ)”でも出たのか?

俺はゴラン高原(ココ)で”御器被り《ゴキカブリ》”なんか見たこと無いぜ!


神経質そうなトカゲさんを見て接近するのは危険だと判断した俺は。


遠方から監視モードに突入する。 見えんwwwヨーシ、太陽出てるが夜モードだ!!ウォン尻尾を立てろ!!


昼間は熱源の多いので、この俺のBIGでグレイトな尻尾は役に立ちません。


高感度触覚モードは望遠ズームできますが。あまり高く触手を伸ばせません。(自重の問題)


うむ!!もっと高いところに移動すれば良いが、トカゲさんから丸見えだ。

しかし!トカゲさんを刺激するのは俺の身が危ない!!


この身が立ち上がることができれば。トカゲさんマイホームを覗き見る(ピーピングトム)ことができるのに!!

ヘイ!トム!君は窓から外を見たが俺は窓まで背が届かないよw


全ては立ち上がることから始まるのである。

立てば障子を破り。

歩めば親心が生まれるのだ。


どうすれば体 (の一部)が伸びるのだろう。

この体では障子を破ることすらできない。


ムムっ以前の失敗作の小気蓄室を複数作ったのを利用しよう、あの時はコントロールに失敗したが制御下に置けば空気駆動部(エアアクチュエータ)の変わりに成るのでは?

ヨーシ、頑張っちゃうぞ~!!


試行錯誤の結果。


おおう!(クララ)が立った!!

複働式アクチュエータを目指したが、精度の問題で単働式になった。ナゾ器官を駆使して震える小鹿のように二本足(+尻尾)で立ち上がる俺が居た。

俺!!ゴラン高原に立つ!



おお、見えます

トカゲさんマイホームには、孵化したばかりの子トカゲ (さくら、抹茶、シロ、キイロ)の四季尽くしのひと口ウィローのようなお子さんが産声を上げています。

まだ目も開いていない様子です。




立ち上がった高い位置の視線は世界が変わった様であった。(ぷるぷるぷる)

何よりいままで背中こうらしか見てなかったのに始めて自分の腹を見たのが何とも無駄な感動だった。

よかった三段腹になってなかった。


ああっ、


一陣の強い風が吹いて後ろに倒れ、甲羅が下になり行動不能になった。

俺は、亀よろしく復帰するのに、日が落ちるまで掛かった。


久しぶりにクールダウンして、甲羅が脱着式だと思い出すのに時間が掛かったのだ。





隣りの育児家族に気を使う新木です。


子トカゲ達は寝て、起きては泣いて、また寝てを繰り返してます。

食事はどうしてるんだろ?


こちらは、すやすや眠る子トカゲたちに気を使って、昼夜を問わず砲撃は行っていません。

ほら、脅かして起きて泣き出したら母トカゲに睨まれるじゃないですか。


しかし大丈夫、このようなこともあろうかと。

以前の精密射撃(スナイパー)練習の結果が大量に残してあります。


「はっはっはっ、余裕は無駄と同義語なんだよ。使うか使わないか違いはソレだけ。設計のコツはソコ良く見極めることだ。」(高専卒専門ファイター先輩の教え)


ああ、先輩、あなたの教えは正しかった。

何でもギリギリはダメでした。

でも先輩、ご結婚はギリギリでしたね。

あの日、居酒屋で食べたシロギスのテンプラは大変おいしゅうございました。

先輩の特殊スキル、辛いシシトウを100%見分ける能力には何度泣かされたことか…。

いつのまにかすり替えられていたからなあ。


見上げる空には先輩のキメ顔が写っているようだった。

まあ。残骸はストレス発散でオーバーキルした結果の産物なんだがな。



さて、先日、後ろにひっくり返ったのは、甲羅の重心位置が悪いのでは?と仮定しました。

なにせ、キンだと思っていたので一時的に背負う以外に何も考えていませんでした。

あれから随分、体が大きくなっており甲羅から身がはみだしています。

このまま単純に甲羅を大きくするのは芸が無い。

軽くて、丈夫で、温かい、そして外観がカッコイイ、ATMの様な甲羅(だんな)を目指したい。

あ、ATMは、対戦(アンチタンク)・ミサイルの略ね。


で、できました。外装アーチ形状の内部ハニカム構造体甲羅。

単純に、外側アーチ構造と内側アーチ構造の間にハニカム構造をサンドイッチして外周部は強度を出すため。

固めのウンウンを塗りこんであります。

まあ、元材料がウンウンなんで、ウンウン100%は変わりません。

甲羅面積は2倍になりましたが重さは1.4倍に抑えました。

また、エアクッション能力向上のため空気の流れを考慮したデザインになってます。

俺はまるでウンウンを3Dプリンターの様に扱えます。


残念な所は、外装にツノを付けたかったが、応力集中の関係で断念しました。

まあ、重たくなるしね…。カッコイイけどねツノ。


毎日、数々のトライ&エラーを繰り返し完成した。

ニュータイプ・ストロング甲羅2号改3型の動作テストは概ね満足するものであり。


重心バランスが改善されたのでコーナーからの立ち上がりも安定してます。

スピンも少なくなりました。


砲撃できないストレスも相まって。ゴラン高原(一人)爆走族が出来上がりました。


ただ、ソレを見つめる目があったのには気がつかなかった。

次も下ネタ、タグに下ネタ入れようか思案中

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