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新木くんのねんきんせいかつ  作者: 王石 勉
第1章:新木くんのねんきんせいかつ(楽園の高原)
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プロローグ的な話

俺の名前は新木 三郎。

ピチピチの26歳。オッサン一歩手前の青年だ。

地方の工業大学を出て中堅の計測機械メーカーに就職した。

先輩方の”手先の器用な工高卒ソルジャー”とか”高専卒専門ファイター”たちの叱咤に鍛え上げられて。

やっと一端の技術者になってきた所である。


思えば、高校二年の春に、不況だから工学部へ行けば就職有利wwwなんて浅墓な考えだった。

わが身を呪いたい。

大体、工学なんてのを目指す様な輩は、物心ついたころから玩具分解したり、ラジコン分解したり、テレビ分解して親から怒られていた様な変態たような、変態ばかりなのである。

新卒大卒理系で地方の中堅会社の景気のイイ所で、エリート様で左団扇♪

高校&大学で頑張って勉強した甲斐があった~♪等と思って入社したら、新入社員研修でコッパ微塵にうっすいプライドが打ち砕かれた。


年下二年先輩|(工業)高卒は、計算せずに、勘で実数を出してくるし。

勤続20年の|(高専卒)技術主任は全知全能の神の様な人だった。|(少なくとも手のひらの孫悟空状態だった)

同期のヤツは全員高卒で”個人でNC旋盤とNCフライス買うのが夢です”と言う会話不可能なヤツばかり。

パートのオバサン|(娘さんがオレより年上)がトルクドライバーより正確にドライバーを操り、半田付けはマッシーンより正確な芸術品をラジヲを聞きながら鼻唄で素早く行うのである。


座学とレポートと教授へのおべっかダケで乗り越えて来たのとは次元が違う。

何か変態の集団の中に一人、一般ピーポーが放り込まれたような異物感と疎外感。


ソレがオレだった。


ポジチィブなオレは入社して一週間悩んだが決心してコンビニでガムと飴を買い込んで。

「すんません、何でコレ、コウなんですか?」

「これってこの前のアレとソレ違うけど何が違うんですか?」

「飴ちゃん食べます?」

「コレ何のために有るんですか?」

という、教えて坊に成り下がった。G.W.前にである。

「う~んわかんない主任に聞いて」

「いや、なんとなく。8だとダメで9ならイケるが、11だとモッタイナイような希ガス」

「まんどくさいから、この本のコノ頁!読んで勉強汁!!」×2


色々揉まれたが、ナンダカンダ言って面倒見の良い人ばかりだったので。何とかやってこれた。


そんな折、女っケが微塵もない”高専卒専門ファイター”先輩|(30台後半)が結婚することになり。

男所帯|(女性が居ない訳ではない)の開発室では、

「ええ!!マジですか?2次元嫁じゃなく3次の生物なまものと?」

「おおなさけない。○○はオレの嫁と拳を交わしたのに脱落してしまうとは…。」

「いや、まて、披露宴には花嫁席に抱き枕とか言うオチでは…。」

「モゲロ」×全員

という暖かい声援と根っからの理由が在れば酒盛り始める”男気溢れる?”職場では。

当然のごとく、週末に毎回行われる臨時呑み会が召集された。

いつもの居酒屋で…。


いつもより皆が良い気分で飲み潰れ、解散して家路を目指して歩くころ

俺も、千鳥足で閨にしているアパートへと歩いた。

のみすぎた。

つらい。

休憩しよう。


公園のベンチに腰を落としヒト休み。

五月の冷たい風は酒で火照った体には心地よく、睡魔に身を任せるのは当然のなりゆきだった。


まあ、コレが原因で俺が凍死するんだけどなw

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