決心
初トークから風の如く1週間が経った。
俺は一回も話しかけられなかった。
だが彼女から、そんなチキンな俺を見抜いているのか、いないのか、積極的に話しかけてくれたのだ。
俺は自分が情けなかった。
引っ越しして間も無く、不安であるに違いないのに、気を遣わせるなんて。
しかし、杞憂であった。
彼女には俺と違って、高いコミュニケーション能力があった。
だから、瞬く間に友達をつくっていったのだ。
俺の何ヶ月もかかって作った友達の数をはるかに超えていた(ゼロに近いが)。
そのことは嬉しいが、さみしくもあった。
俺は彼女の多数いる中の一人にすぎなくなったのだ。
一抹の悲しみを感じつつ、俺は日々暮らすはめになっている。
現状打破したい。
彼女にもっと近づきたい。(精神的な意味で)
そんな欲望がつのっていた。
そして、意を決して告白することにした。
少し話したくらいで告白なんて浅はかだとは思わないでいただけると幸いだ。
ろくすっぽ女の子と話したことない奴は、少し話しかけられるだけで、えっ、この子俺のこと好きなんじゃねと思ってしまうものなのだ。
もしも、そうは思わない奴は現実をいかんなく楽しめているやつだ。
そんな人に私はなりたい。




