初トーク
「山倉くん初めまして、よろしくね。」
なんて素晴らしい笑顔なんだ。
何時間でも見ていられるわ。
出来ることなら、写真に収めて額縁に入れたい(変態決定だな、俺)。
「どうしたの、山倉くん。」
しまった。
つい、可愛すぎて見とれてしまった。
「ああ、なんでもないよ。こちらこそよろしくね、中井さん。」
「うん、山倉くんって面白いね。」
なっ、俺のことが面白いだって?
嬉しすぎて天にも昇る心地だ。
その後の授業もサイコーだった。
横を見れば、そこには美少女がいる。
にやけそうな気持ちを抑えながら、俺は嬉々として授業を受けた。
だが今日一番に嬉しかったのは、授業が終わり帰ろうと席を立った時の彼女の一言
「さよなら、山倉くん。また明日。」
である。
俺は昇天しそうな心を抑えて、
「さよなら。」
俺は真っ赤になっている顔を見られまいと、そそくさと家に帰った。
帰ってからは喜びと後悔の渦にのまれていた。
美少女と会話しちまったぜ。
ああ、幸せだ。
可愛すぎるだろ。
それにしても、俺は何であんなに腑抜けなんだろう。
そのあと一回も話しかけられないなんて。
その上、後日彼女に話しかけられた2回ともロクに返事ができなかった。もっと話題提供したら、楽しい楽しいトークが出来たのに。
よし、明日は俺から話しかけて面白い話の一つや二つして、好印象を与えてみせるぜ。
そう心に決めて、俺は眠りについた。
だが、俺のヘタレっぷりは自分の思っているレベルじゃなかったんだ。




