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フラグを信じて1
学校までは徒歩で10分あれば着く。
ご推察通り、俺はぼっちで登校している。
別に寂しくなんかない、もう慣れてしまったから。
願わくば、可愛い幼なじみとたわいもない会話をしながら登校したいものだ。
そんな儚い妄想をしているうちに学校に着いた。
クラスの友人と挨拶を交わす。
間もなく、HRが始まった。
「今日は、みんなに知らせておくことがあるんだが、このクラスに転校生が来る。」
担任の言葉にクラスがざわめいた。
俺はさほど気にしていない素振りをみせていたが、内心はドキドキとウキウキでいっぱいだった。
どんな子なんだろう。
可愛い子だろうか。
いや、可愛い子だろう。
転校生が可愛くないはずがないんだからな。
と、女かどうかも分からない転校生を可愛いと決めつけるほど、俺はワクワクしていた。
最近読んだ漫画に、何の個性もない男子高校生が、ふとしたきっかけで可愛い転校生と恋に落ちるというストーリーがあった。
その影響で、俺の脳内はピンク色のお花畑になってしまっていた。
そんな事を考えていると、教室のドアが開きかけた。
俺は祈りながら、ドアを凝視した。
その先には、、、




