遅刻の理由はマンデーブルー?
端的に言おう。遅刻した。
母も親父もとっくに家を出ていた。やれやれ、愛息子のことを忘れていってしまうなんて母上も父上もうっかりものだなあ(言ってて悲しくなってくる)。
まあいい。どちらにしても、まだ9時だ。今から行っても2時間目から授業が受けられる(別に受けたいわけではない、いや全く受けたくないが)。
普通の学生ならもういいや、なんか楽しいことして時間でもつぶそう、と考え、ずる休みをするだろう。
だが、俺は違う。まじめ君なのだ。
嘘です、ごめんなさい。
俺には趣味などない。強いて言えばネットサーフィンだがこんな時間からするものでもない。つまり家で行う楽しい遊びなどないのだ(学校でもぼっちだから楽しくはないだろというのは大きなお世話だ)。そんなわけで俺には時間つぶしとして学校に行くほか選択肢がないのだ。
俺は身支度を整え、家を出た。
さて、俺が遅刻した理由だがそれは明らかだ。モーニングコールのせいだ。
俺は毎日、某アニメの妹キャラの目覚まし時計に起こしてもらっている。それはそれは可愛くて、いつも目覚まし時計をなでなでして止めている。勘違いしてほしくない。俺はあくまで物を大事にする男、エコな男なのだ。
そんないつものモーニングコールでも今日は起きれなかった。俺が今求めている声は萌え萌えアニメの美少女の優しい声ではなく、厳しい口調でも構わない、あの子の声だけなのだ。
正直、学校には行きたくない。勉強がしたくないという理由もあるが、なんといっても中井さんと顔を合わせるのが怖い。
なんて挨拶するべきなのだろうか、いや挨拶さえしてはいけないんじゃないだろか。俺は学校に行くまで必死に対応策をこまねいていた。
ない頭を必死に使って絞りだした結論はやはり俺の思考にふさわしく、幼稚で単純なものだった。
出たとこ勝負だ。
バカ丸出しでつらかった。




