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少し早い後日談1
俺が彼女と別れると決意した翌日に俺に災いが降りかかった。いやこれはむしろ良かったのかもしれない。
なんのことはない、振られたのだ。
今では中井さんは元カノなのだ。
不思議な気分に駆られる。
俺は残念ながら、昨日まで特別に想っていた人が次の日は友達、いや他人になるという現象に慣れていない。
孤独。
その二文字が頭をよぎった。
だがもはや俺にはどうすることもできないし、どうする気もない。
俺だって振るつもりだったのだ。
それにしても、振られたのは案外ラッキーだったのかもしれない。
もし俺が振っていて、そのことがクラスのメンツにばれていたら、あんな可愛い子を振るなんて自分の顔を見たことない、自分の顔面偏差値を理解していない最低な男だと思われてしまったかも知れない。
自己保身のことばかり考える自分が情けない。
振られても当然だ。
そんな哀れな俺の哀れな振られ様を一応説明しておこう。




