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衝撃
「実はね、私普通の人間なんだ。宇宙人っていうのは嘘なの。ごめんね、だまして。でも、許してね。まさか山倉君が本当のこと言ってるとは思えなかったんだもん。」
衝撃だった。
嘘をつかれていたのだ。俺には今までどんな嘘も通用しなかった。懐疑心が芽生えればそれが真か調べる手段を持っていたからだ。
初めてつかれた嘘に、しかも大好きな女の子につかれた嘘に俺は心を折られた。
なぜだ。なぜ嘘をつくんだ。俺は正直にすべてを打ち明けたはずなのに、どうして。
心が、本心がわからない相手が自分につく建前への対処が俺にはわからなかった。
一度は本心なんてどうでもいいと思えた。しかし相手の底の見えない恐怖が日に日に増してきて俺を襲った。
俺は決意した、彼女と別れることを。




