24/38
悟り
「私は宇宙人、地球外生命体なの。私はこの地球を侵略しに来たんだ。だから、君は私の心が読めなかったんだよ。それにしてもすごいね。そんな能力を人間が持っていたなんて知らなかったよ。ねえ、詳しく教えて、君のこと、君の力を。」
脳が追いつかない。自分が想っていた人がユーマだなんて。いや、まだわからない。これは嘘で、俺を騙しているのかもしれない。または、この人は電波で自分をユーマと勘違いしているのではないのか。
わからない。俺には真実を知る手段がないのだ。
モヤモヤが止まらない。
そんな俺などお構い無く、彼女は言う。
「ねえ、黙ってても分からないよ。ちゃんとしゃべろうよ。人間には言語という意志疎通の手段があるのだから。ねっ?」
最後の「ねっ?」が可愛いすぎて、俺は悟った。
どっちでもいいじゃない いきものだもの




