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東方秘封活動記  作者: 紅き蠍
第一章 アカイキリ
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第八話 クリフクライム

チルノ達を前に進めて、俺は後ろから追ってくる奴らを撃ちまくって足止めする。



「紅魔館はまだか?!」



「見えてきた!あの崖を登るの!」



見たとこ七階建てのマンションくらいの高さの崖が立ちはだかっていた。



「ロープを!端を何処かに固定するんだ!」



「ロープは任せて!チルノちゃんは援護して!」



大妖精がロープの端を持って上へ飛ぶ。

素早く崖を背にし、ハンドガンの弾薬を装填する。



突然心臓痛み、呼吸が苦しくなる。

吐き出す息が笛の様な音をだす。


マズイ、喘息の症状か…

その場で倒れこみ、咳き込む。



「ちょっと?!大丈夫?!」



チルノが飛ぶのをやめて俺の元に降りてくる。



「ゴホッ!ゴホゴホッ!チルノ…か?…ゴボッ!ベルトの……注射器を…ゴホッ!」



チルノはすぐにベルトに付いてる注射器を取り、俺の胸に注射した。


するとすぐに息苦しい感じは消え、何時もの感覚が戻ってきた。



「ゴホッ、ありがとうチルノ」


また銃を構え直し、奴らに向かって撃ち始める。



「大丈夫!ロープつけた!登って!」



大妖精が上の木にロープをくくりつけて下ろす。



それを掴んで崖を登る。

が、一歩出遅れて奴らに腰を噛みつかれた。



腰の痛みを堪えながら奴らが飛んで来られない場所まで少し登り、腰から離れない奴を撃つ。



「くそッ、こいつ噛み付いたまま死にやがった!」



その声を聞いて大妖精とチルノが二人掛かりて噛み付いた奴を引き剥がす。



軽くなり、ロープを再び登り始めた。

下にいる奴らは諦めて去って行った。


これで紅魔館に向かうことができる。




ロープをひたすら登っていく。



「亮ってなんでさっき咳き込んでたの?」



チルノが先程の発作について質問してくる。



「実はな、俺は元々気管が狭くて喘息がちなんだ、激しい運動、特に全力で走ったりするとすぐに咳き込んじまうんだ、血を打てばなんとかなるが」



その時、少しだけ、本当に少しだけチルノの表情が変わった。



それでもよくわからなかったのでそのまま登りだした。



長い長い崖を登ると、ようやく上が見えてきた。



崖の端に手を掛けて登ると、いきなり目の前に光が飛び込んできた、

いや、違う、弾丸だ!


登るのをやめて頭を崖の影に隠す。



危なかった……



もう一度頭だけ出して様子を伺う。



赤い洋館が崖の上にはあった。塀に囲まれ、まるで高校生の時見たゾンビ映画の館の様だ。



その門の前で二人の女性が争っている。


不思議なのは二人とも中華風の服を着ていて、髪色も体型も全て双子の様にそっくりなのだ。



どうしようか、

こちらを見ていない、ロープのフックを外して素早く束ねてカバンの側面に付けたフックにかける。



崖の淵に掴まって塀の高さが低い箇所が無いか探す。



どこにも無いが、頑丈そうな鉄の棒がある。


そいつを使って塀を乗り越えよう。



とにかく彼女のいる入り口は通れない、できるだけ離れて、駆けつけるまでの時間を稼ぐ。



100mくらいは離れたいが、さすがに淵に掴まったまま移動はキツイ。


そこで、50m程離れるまで淵に掴まったまま移動、そこからはしゃがんで移動する。



チルノと大妖精を先に塀を越えさせて、俺は棒を塀から少しだけ離して地面に刺す。



助走をつけても棒めがけて跳ぶ、さらに棒を使って跳ぶと、塀を越えて向こう側に落ちそうになった。



後少しでバランスを崩して顔から落ちるところだった……。



喧嘩してる彼女達にはバレていない、そのまま塀から降りて地面に立つ。



中庭は色とりどりの花が咲き誇り、遊歩道の整備もしっかりしている。



これじゃまるで……



「ベルサイユ宮殿、だな、宮殿が赤い点に目をつぶれば」



「ベルサイユ宮殿?何それ」



チルノが質問してくる。



「フランスにあるでっかい宮殿だよ」



「フランスって何?」



「うまい飯が食える国だ」



うまい飯!?食べに行きたい!とチルノが大はしゃぎする。



だが……俺は蓮子先輩達を助けて地上に帰れるのか?こんなに深い穴に落ちた、登るには相当な時間が必要になる。食料もあるが、大量にある訳では無い。



とにかく今は先輩2人を助けることに集中しよう。


中央の大きな通路を通って正面の玄関まで向かう。



「ごめんください、ここに二人の女性は来てませんか?」



「お待ちしておりました、亮様、チルノ様、大妖精様、レミリアお嬢様がお待ちです、私について来てください」



メイド服を着た銀髪の女性が玄関にて俺たちを待っていた、それだけ言うと俺たちの前を歩きだした。












































































床も壁も額縁に入っている絵も真っ赤な、言ってしまえば目に非常によろしくない場所を歩く、目が痛い。



他の働く者は見えない、彼女一人でこの大きな館を管理しているのだろうか。



チルノと大妖精は話し込んでいる、


先輩達は大丈夫だろうか、大きな怪我をしていないだろうか。



そのことを聞こうと、メイドさん?にはなしかけようとした時だ。



突然、目の前が歪み始め、頭がくらくらしだす、



「なんだ?!AR、状況確認」



《体内に不明な成分混入、分析開始、

完了、神経毒の一種と思われます》



神経毒?そんな物をいつの間に打たれた?


とにかく回復だ、おぼつかない手で腰をまさぐり、注射器を首筋に刺し、血を流し込む。



しばらくすると、視界が戻り、フラフラする感覚もなくなった。


だが、先導していた彼女は先に行ってしまった、チルノ達は後ろにいたため大丈夫だ。



「大丈夫でしょうか、亮様、こちらです」



俺たちがいないことに気づいたメイドさんが戻ってきた。


こちらを確認すると階段を降りて行く。



とにかくそれに着いていかなければ。



彼女に着いて階段を降りて行く。



先程は赤い壁紙だったのが、赤いレンガになっている。



燭台が赤く奇妙に揺らめいている。

彼女が一つの部屋のドアを開け、中に入った。



「なんか血の匂いがする…」



チルノが鼻をひくつかせてから鼻を塞ぐ。


とにかく中に入らなければ、中はレンガの壁だ、当然真っ赤だ。



地面にカーペットが敷かれていない、真ん中が赤く染まっている。



「ここでお待ちください、レミリア様をお呼びしますので…」



そう言ってメイドさんは出て行った。



「ねえ、亮…部屋の真ん中の赤いのって…」



チルノが恐る恐る、部屋の真ん中あたりに散らばっている赤色を指す。



剥がして専用の機械を使い、成分を調べてみる。



人間の血だ。



直ぐに首筋に汗を感じ、部屋から出ようとし、扉を開けた。



外にはあのメイドが立っている。



「部屋の中でお待ちくださいと言った筈です」



「さよなら」



床が突然開き、下に落ちた。







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