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東方秘封活動記  作者: 紅き蠍
第一章 アカイキリ
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第四話 接触

しばらく月日が経ち、ついに入学式。



あの校長は壇上に立たず、副校長が長くベラベラ話している。




その話を聞き流し、部屋に戻る時に、教授とすれ違った。



その瞬間、手に感覚が伝わった、どうやら手紙だ、今の時代ではメールが普通だが、なかなかわかっている。




内容は終了後、職員室に来て欲しいとのこと。




早速護衛任務が始まるようだ、契約期限は護衛対象卒業の三年間。




注意事項を聞き終わり、早速職員室へ向かい、岡崎教授を探すと、一人の男性生徒がなにやら話こんでいた。



後にしようかと思ったが、こちらを見た瞬間、異常な速度でこちらに来た。



「やっと来たわね!それじゃあ行きましょう!」



「あの、彼はいいんですか?」



教授の机の前で突っ立っている生徒を指す。なぜかこちらを睨んでいるが。



「いいのよ、ただうちのサークルに入りたいってうるさいのよ、あぁいうのは嫌いね」



「?それくらいなら入れてもいいのでは?」



「私のサークルは特殊で、私が信用しない相手は入れないって決めてるの、そのサークルにあなたは入れる、感謝しなさい」



「は、はぁ……」



前にも言ったが、俺は知らない人、特に女性に対して非常に免疫を持っていない、その為、必ず一人称が僕、そして敬語になる、女性だとそれが顕著に出る。



しばらく歩くと、一つの扉の前についた、壁のプレートには秘封倶楽部と書かれている。



この扉の向こうに、俺の守る対象がいる、岡崎教授の後に続いて部屋に入っていった。

























あの少年は見ものだわ。



私の探究心をくさぶる。




あれだけ興味を持った人間はいないもの。




さあ、今日も不思議な出来事を起こしましょう。











彼の力を調べるために。












第一章


アカイキリ




人間は踏み入れた大地は無いと断言した、しかし、本当にそうなのだろうか、

気づかないうちにその土地を抜けているだけなのではないのだろうか。

~不詳~















































「蓮子、マエリベリー、いるかしら?」



「あ、教授、久しぶりじゃないですか?私たちの部屋に来るなんて」



扉の向こうから女性の声が聞こえてくる、ヤバイ、心拍数が上がってきた、そうだ!あいつも言っていた。



『あのな、亮、緊張したなら手のひらに人という漢字を書いて飲み込み、そのまま頭を壁にぶち当てるんだ』



手のひらに人と書いて、飲み込んで、頭を壁にぶつける!



「亮、入っていい……あなた何してるのかしら?」



「落ち着いているだけです……」



強くぶつけた額をさすって扉の向こう側へ行く。



二人の女性が一気にこちらを見る、あれ、この人達って……



「あー!この間階段でぶつかった人だ!」



「あら、知り合い?」



「えっと…入学の前に一度話を聞きに来た時に会いました」



「なら話は早いわ、彼が今日から秘封倶楽部に参加する下谷亮君よ」



紹介され、慌てて自己紹介する。



「は、始めまして、僕は下谷亮です、出身は神奈川、今年からこの大学の一年生となりました、よろしくお願いします!」



舌を噛みそうになりながら言い切る。



「ふーん、亮、ね、何故この私たちの秘封倶楽部に入ろうと思った訳?」



えっと……よく考えたら護衛というだけで入ろうとしてるんだ、理由が無い……あ、そうだ、あの小論文で!



「えっと、私が書いた小論文をたまたま見た岡崎教授が興味を持たれまして……」



「あぁ、なるほどね、それでうちに来たわけね」



「はい、入りたいサークルも無いので、せっかくなので……」



彼女は少し嫌そうな顔をして、こう言った。



「じゃああなたが出来ることってなに」



それを聞くが先か、こう叫んでいた。



「危ない!窓から離れてください!」



叫んだ後、すぐに窓際に移動し、机を窓に向かって立てる、すぐそのあと、野球ボールが飛んで来て、机に当たって鈍い音がした後、すぐに下へ落ちていった。



「……危なかったですね…ユキビタス社会が進んでいなかったらどうなっていたことか……」



「えっと、何をしたの?」



「これが僕の答え、出来ることは情報収集、整理、発信や傍受です」



「どうしてボールが来たことなんてわかったわけ?」



先ほどの表情とは打って変わり、興味を持った人の顔になっていた。



「僕はARというシステムがあります、さっきのはユキビタス社会の一つのICチップを確認したから警告したんです」



「えっと、つまり?」



隣の金髪の女性が問いかける。



「僕がつけているARという装置はいわゆるケータイの代わりになるものです、瞳の中にある網膜に情報を投影して、様々な場所から様々な情報を視覚化できます、

ですから、ケータイ無しでインターネットに接続できます、

と、言っても、とある行動には端末が必要なんですが…」



「ちょっと見えている景色を見られたらでいいから見せてもらえるかしら?」



金髪の女性が再び問いかける。



カバンからスマートフォンを取り出し、ARで操作をして、画面上に表示した。



「すごい……文字が浮いてる……」



「京都駅の情報を出します」



すると、画面上の表示が変化し、京都駅のある地点に白い平面のピンが立ち、その横に京都駅と表示され、こちらが操作をすると、京都駅までの道のりで行った時間や人の数が表示される。



「すごいわ……こんなものが見えているのね……これ、どこで売ってる?」



金髪の女性が目を輝かせて質問する。



「残念ながら非売品な上に生産中止してますので……」





ここで、先ほどまで黙っていた濃い目のブラウンの髪の女性が口を開いた。



「えっと………ユキビタス社会って……何?」




その瞬間、部屋の空気が固まった。



その沈黙を打ち破ったのは金髪の女性だった。



「れ、蓮子………もしかして……知らない……?」



「うん……あまり気にしたことないし……」



蓮子と呼ばれた女性は頷いた。



「……とりあえずご説明しましょう、



ユキビタス社会というのは「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」インターネットワークに繋げられ、様々なサービスを提供するシステムです、

その繋げられるものは人に限りません、

物と物、人と物、人と人に繋がります。



例えば買い物をするとき、冷蔵庫の中身をどうやって確認しますか?



「いつもならスマホを使って確認するわね、メリー?」



「そうね、いつでも何があるかわかるから突然買い物に行っても問題がなくなるからね」



そこにすでにユキビタス社会が含まれています、


食品の袋や箱等には専用のICチップが取り付けられています。



そのICチップを冷蔵庫が確認し、その情報をネットワークに繋げて所有者に発信しているのです、



この時点で物と物、人と物に繋がってます。



例えば、家の冷暖房、家に帰ってすぐにエアコンやストーブをつけて、フル稼働するまで耐えるのではなく、ある程度家に近づくと、電柱に組み込まれた受送信装置が所有者がみにつけているICチップを感知して、家のエアコン等にスイッチをいれるようにするシステムもあります、



このようにいつでも、どこでも繋がっているのです、



私のARシステムは、そのユキビタス社会の実験の一つで、端末無しでインターネットに接続し、どれだけの効率化ができるかを調べていたのですが……送受信する部分以外を脳に移植しているので、脳に障がいがおきた人まで出てしまいまして、それでリコールがかかっています、

まぁ、僕のシステムは完全に埋まっちゃったのでどうしようもないんですが」



ここまできて気づいた、





俺は何をこんなにも熱弁していたのか。



「ふーん、なるほどね、気に入ったわ……私は宇佐美蓮子、蓮子と呼んで構わないわ」



「えっ?」



「まったく…蓮子ったら……私はマエリベリーハーンよ、メリーと呼ばれているわ、ほんとは違うのだけれどね…」



どう言う事だ?という問題より熱弁したことが恥ずかしくて穴を探しているが、



「下谷亮、あなたを秘封倶楽部に歓迎するわ、メリー!早速歓迎会の準備よ!」



何がなんだかわからないが、どうやら歓迎されたようだ、岡崎教授もこちらを見てにこりと笑った、それよりもどこかに穴はありますか?身を隠せるくらいの。



二人とも外へ出て行ったので、とりあえず付いて行くことにしたが、突然金髪に染めた柄の悪い兄ちゃんが現れた。



「お、かわいこちゃんはっけーん、ちょっと俺たちとお茶しない?」



最近女性に近づいてはナンパする男が増えた、そんなに女に飢えているのか、女運がない上に女性が苦手なのにも関わらず、女性ばかり周りにいる俺とは大違いのようだ。



「あんさん、何をしようとは聞かないが、ハッキリ言わせてもらう、邪魔、どけ」



悪には徹底的に正義を叩き込むのが俺の流儀、例えそれが正義という名の悪だとしても。



「ア゛ぁ?!なんだテメェ、俺の女に手を出すつもりか?!」



そう言ってスイスアーミーナイフを取り出した、ふん、やはり持っていたか、ナイフのICチップ反応があったからな。



「それがあんたの得物だな、なら……こちらも礼儀として出しておこう」



バチバチッ!!



カバンの一番取り出しやすいポケットに入れていたスタンガンを取り出し、鳴らす。



顔が真っ青に変わっていくのが素晴らしいほど面白いが、どうやらそれなりに気力はあるようだ、こちらにナイフを向けてきた。



「さぁ、来てみろ、お前の標的は目の前にいるぞ」


スタンガンについているワイヤーを腰のベルトに引っ掛け、手から離して挑発して前に進む、くるか?


奴は長い気合いを入れながら、右手のナイフを突きつけてくる!



かかった!!



そのナイフの剣先をわざと左腕で受け止め、右手で相手のナイフを弾き飛ばし、そのまま手首を掴んで引込返ひきこみがえしで廊下に背中を叩きつけ、ぶら下がっているスタンガンを右手でとり、首元に突きつける。



「これ以上やってもいいが、このスタンガンの電流は一発で気絶できるぜ、どうする、やるか?」



真っ青に変わった顔がさらに青くなり、逃げて行った



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